郷土料理 せいだのたまじ
やはり、テレビやネットの効果は、大きいもの。
3月24日日曜日放送のTBSバラエティー『さんまのスーパーからくりTV SP』で、紹介されることなった、山梨県上野原市北部の棡原(ゆずりはら)の郷土料理・せいだのあまじ。
場所は、東京都心から西へ約60km。
権現山(1,312m)の麓にあり、鶴川渓谷の河岸段丘に家や畑の点在する集落。
深い山塊に抱かれ、清流でのヤマメやアユ釣りの楽しめる景色。
ひと昔前までは、畑作、養蚕、山仕事が、おもな生業。
はじまりは、1968(昭和43)年。
東北大学名誉教授・近藤正二博士と、甲府市の医師・古守豊甫博士による、棡原は全国でも珍しい夫婦そろった長寿村であるという報告から。
長寿の要因は、「食・動・心」。
主食は、水田のないゆえ、きび、あわ、蕎麦、麦、芋など。
添えられるは、野菜、山菜、川魚など。
現在でも伝統的な郷土食が残っています。
日常の行動は、家や畑が急な傾斜地にあるゆえ、当たり前のように坂道を上り下りすることでの、足腰の強化。
畑作業や家事などでの家族全員の協力。
そして、長寿につながる食とされる、特徴的な郷土料理が、せいだのたまじ。
さかのぼること江戸時代後期、甲府の代官であった中井清太夫が飢饉対策として、じゃがいもを九州から取り寄せての栽培から。
飢饉の苦境を乗り切ってからは、じゃがいもは、代官・清太夫への感謝から、"清太夫芋"や"せいだ"と呼ばれ、中井清太夫は"芋大明神"として祀られるようになり、市内の龍泉寺には碑が残されることに。
肝心のつくり方は、
1."たまじ"と呼ばれる小粒のじゃがいもを、皮をむかずに一粒一粒きれいに水洗いした後、少量のサラダ油
で数分間炒める。
2.炒め終わったじゃがいもに、ひたひたより多めに水注ぐ。
3.味噌と砂糖を加えた後に煮込む。
4.強火で煮詰めて小1時間、煮汁が泡立ち、じゃがいもの高さの半量に。
さらなる煮立ち。
5.翌朝もう一度火入れ。
照りの出た煮汁はべっこう色に輝き、じゃがいもにまとわりつくようになる。
上野原市経済課商工観光担当の方曰く、
「"せいだのたまじ"に使うじゃがいもは、小粒の種類で"富士種"。小さないもでも無駄にせずに食べるという、生活の知恵から生まれた郷土料理」。
観光施設・ふるさと長寿館や隣接の売店では、一皿でも、土産としての1パック10個前後でも300円。
実際に現地へ行って体験するのも貴重だけども、どうしても日程をやりくりしづらいならば、
2010(平成22)年4月に発売された『四季を通じた料理 未来へ伝えたい日本の伝統料理(児童書)』(後藤真樹・小泉武夫)。
それを開いて横目で見て練習してみるのが、いいかもしれない。
2013-03-26 |
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