絵本おじいちゃんがおばけになったわけ
2005(平成17)年6月、あすなろ書房より発売。
原作はキム・フォップス・オーカソン。
イラストはエヴァ・エリクソン。
デンマークの傑作絵本で、死んだはずのおじいちゃんが孫のエリックのところへ毎晩やってくるという、幽霊の物語ながらも、心温まるファンタジー。
絵本を通して、「死」というものを伝えるにあたっては、日本ではペットや動物の描いたものの多いのに対して、海外では生身の人間を直接描いたものの多いということを、しばしば耳にする。
肝心の物語は、
おじいちゃんが道に倒れて死んでしまって以来、ママからどれだけ言い聞かせられても、その実感のないエリック。
そんな中、夜になることに、おじいちゃんの幽霊がエリックの前に現われることに。
いつものスーツにネクタイといった紳士的な出で立ちで。
エリックが尋ねるには、おじいちゃんは現世に忘れ物をしてしまったために、天国に行けないとのことで、しかも、その忘れ物が何かを思い出せずにいて...。
そこで、おじいちゃんとエリックが毎晩忘れ物探しをすることになって...。
二人でいろいろなところへ行ったり、いろいろな想い出話をしたり...。
そのやりとりは、とても幻想的で、とてもユーモラスで、とてもあたたかい。
一方で、昼間のパパとママとの会話も、愛にあふれていて...。
おじいちゃんが忘れ物探しをするのは、思いもかけない理由からゆえに、最後は涙。
昼間における現実、夜における不可思議、
それぞれの空間を行き来するかのような旅、
本当に夢のようだけど、ゆくゆくは現実における将来の道標につながっているという実感。
故人への想いに国境はないんだなあ。
もしも将来、子に恵まれたなら、
読み聞かせするのは5歳くらいから、自身での読み始めは小学校低学年から、
それが一番ふさわしいかもしれないなあ。
2013-05-12 |
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