十二国記 丕緒の鳥
6月26日水曜日発売。
著者は小野不由美。
あの『東京異聞』が、1993(平成5)年の日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となって、脚光を浴びてから、いくらか気になっていたけど...。
本当に不可思議な物語が好きなんだなあ。
『魔性の子』や『月の影 影の海』などの「十二国記」シリーズも、いよいよ最新刊。
この度は、表題作の「丕緒の鳥」を含めての4編の短編集。
一貫しているのは、神話や幽霊にまつわる物語であるかのよう。
現代でも遠いいにしえの時代でも、不条理に遭いながらも、希望を切り拓いてゆこうとする、まじめで清廉な人間にこそ、存在感があるということを前面に出しているかのようだ。
そして、目にすることのない神や霊のような温かく見守ってくれる存在を、陰ながら少しずつ実感してゆく。
「見てくれる人は見てくれる」
そう実感できることは、どれだけ大切か。
忘れないようにしないとなあ。
先の表題作の「丕緒の鳥」は、陶工の丕緒(びしょ)が主人公。
はじまりは、慶国に新王が登極してから。
即位の礼である「たいしゃ大射」がおこなわれることとなり、儀式として射られる的となるのは、鳥に見立てた陶製の的。
それを作ることとなるのは、丕緒。
国の示す任務の重さに苦慮しつつも、希望を託した「鳥」に大空へと羽ばたかせようとするらしく...。
まあいずれにせよ、発売日と同時に購入して、かの不可思議な物語の展開に身を託してみるのも、悪くない。
折しも、怪談の季節でもある夏のこと。
待ち遠しいや。
2013-06-06 |
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