辻村深月 島はぼくらと
6月8日土曜日放送のTBS情報番組『王様のブランチ』の読書コーナーでの紹介から気になって、すぐに購入しての読書。
それは、6月5日水曜日に発売された、辻村深月原作の最新刊『島はぼくらと』(講談社)。
先の辻村深月氏のインタビューにもあった通りの、明るく開放的な作風で、瀬戸内海の冴島から本土へ通学する4人の高校生男女による青春群像劇。
母と祖母の女三代で生活する、明るく伸びやかな少女・朱里。
美人で気が強く、どこか醒めた気持ちのある網元の一人娘・衣花。
父のロハス生活志向の巻き添えで、東京から連れてこられた源樹。
熱心な演劇部員ながらも、思うように練習に出られない新。
彼らそれぞれの抱える見えない葛藤が手に取るかのような流れだった。
やはり、氏自身の結婚・出産・子育てという流れが、それまでの見えない閉塞感と闘うという姿勢からの柔らかい変化へと導いているかのようだ。
特に、未婚の母や、島を背負う大人たちの覚悟のくだり、
早く巣立つことを前提に、育児の記録を母子手帳に記載して、島を出て巣立つ子どもに手渡す、といった島の母親にまつわる慣わしを耳にしたこともあって、心に響くものがあった。
そして、この作品も、地方再生にまつわるヒントとなるものが、描かれているかのようで、面白い。
2013-06-08 |
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