朝井リョウ 新刊 世界地図の下書き
発売日:2013(平成25)年7月5日金曜日
出版社:集英社
気になっていた新刊の一つ。
7月14日日曜日放送のTBS『情熱大陸』、7月27日土曜日放送のTBS情報番組『王様のブランチ』の「文芸書ランキングTOP10」、と相次いで目にすることとなったことも理由の一つだけど、会社員と作家との"二つの顔"を見事に使い分けして、活き活きとしてる姿が、とても印象的だったからかもしれない。
やっと読み終えることができて...。
物語の舞台は、「青葉おひさまの家」という養護施設。
主人公は、交通事故で両親を亡くした小学生の大輔。
入所後はしばらく心を閉ざしていたものの、6歳年上の佐緒里をはじめ、同じ班の仲間の働きかけの甲斐あって、次第に環境になじんでゆく姿が感動的だった。
やがて、佐緒里が施設を卒業することとなる「さよならの日」、大輔と他の3人の仲間たちは、3年間ともに過ごした佐緒里のために、ある作戦を決行することとなるんだけど...。
一方的な見方だとお叱りを受ければそれまでですけど、
小説の上手さは目を見張るものの、かの『桐島、部活やめるってよ』のように高校生が主人公ならば、納得のいく描写かなあ。
好む好まざる関係なしに、小学生ならば葛藤や欲求不満を思うように言語化できないのが半分前後のような気が...。
しかし、それでも、
子どもなりの孤独感、学校でのイジメ、親族による虐待。
なぜこんなに生きづらくなってしまったんだろう?
昔気質の方々が口にされる心が弱いからだ云々で切り捨てられる問題じゃないだけに、時折考えさせられる。
特に、あの『情熱大陸』での語りが忘れられない。
「今いる場所から転げ落ちたら負けだと感じて、つらくても居続ける人にも、逃げるという選択肢があることを示したかった。
新しい場所には、元の場所と同じくらいのつらいことがあるかもしれないけど、楽しいことも同じくらいの可能性があるということも」
2013-07-28 |
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