藤原新也 新刊 たとえ明日世界が滅びようとも
8月31日土曜日、東京書籍より発売。
お恥ずかしいことに、悶々とする日々の中、何気に書店に立ち寄って、目にした一冊。
「孤独死により救われる生涯もある」
この紹介のくだり、つい気になってしまった。
たしかに先行き不透明な世情に半分以上覆われているだけに、現代は荒野であるかのよう。
実際に購入して読んでみて、
やはり、当時の青年層に大きな影響を与えたとされる、1972(昭和47)年の初作品『印度放浪』の発表から、姿勢はほぼ一貫しているんだなあ。
藤原新也。
1944(昭和19)年3月4日、福岡県門司市生まれの作家・写真家。
東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻中退の後に、インド、東京、アメリカなどを対象とした、写真とエッセイの組み合わせの作品を発表。
インドを振り出しに、アジア各地を旅してきた体験は、ご本人にすれば、かなり大きいものだったんだろうなあ。
やがて時は流れて、
かねてから「小中学生のインターネット・携帯電話は、法で禁止すべき」との立場を主張。
しかし、、時と場合によって柔軟にならざるを得ないと実感したからか、現在では「時代の流れであり、やむを得ない」との立場に。
これだけ高度でかつ雑多な情報が良くも悪くも多く錯綜する時代であること自体、決して否定できないにせよ、かの「3.11」こと、2011(平成23)年3月11日金曜日の東日本大震災で、改めて直面させられたんだろうなあ。
天変地異などの緊急事態発生や再生のために必要なもの。
インターネット以前に、人と人とのつながり。
さらに、人間一人一人が自身で生き抜く気力と瞬時な判断と行動の体感。
「神なき時代の神話」は、自ずからの足で立つ人間一人一人によってつくり上げられてゆくもの。
改めてそのことを強く実感させられる一冊だった。
時折、重要なくだりに目を通してみるとするか。
2013-09-17 |
共通テーマ:日記・雑感 |
nice!(0) |
コメント(0) |
トラックバック(0) |
編集
コメント 0