軍師官兵衛 キャスト 片岡鶴太郎
2014(平成26)年1月5日日曜日より放送のNHK大河ドラマ第53作『軍師官兵衛』の放送開始をもって、主人公・黒田官兵衛(岡田准一)と妻・光(中谷美紀)と同様に気になる脇の登場人物の一人と言えば、
官兵衛の最初の主君であり、播磨国有数の豪族の赤松分家・小寺家当主で御着城城主・小寺政職(こでらまさもと)。
演じるは、片岡鶴太郎。
これはヒトクセもフタクセもありそうな役どころだろうなあ。
当初は赤松氏の重臣だったものの、1521(永正18)年に赤松義村が浦上村宗に殺害されると、義村の遺児・赤松政村(晴政)と共に細川晴元を頼って落ち延びた身の上に。
再起をうかがう中、やがて1531(享禄4)年の"大物崩れ"にて、村宗と細川高国の討伐により赤松氏の再興へと尽力。
以後、幾度かの小競り合いを制して、播州平野を中心として半独立勢力として割拠するまでに。
この過程において政職は、多くの家臣を登用し、その中には当時浪人であった黒田重隆(竜雷太)・職隆(柴田恭兵)親子も含まれていたという。
その黒田親子の能力を認めた政職は1545(天文14)年に彼らを家老職に引き上げ、姫路城代を任せ、さらに小寺の苗字を与えたり、縁戚の者を嫁がせたりしながら、有能な家臣として重用するまでに。
特に、16歳の若さで出仕した官兵衛のことを"息子同然"と可愛がるが、出過ぎた働きをすると警戒もする複雑な内面も持ち合わせていて...。
要は、優柔不断な性格の反面、人の才を見抜き己の保身を図ることには敏い人物であるかのよう。
転換点は、1578(天正6)年7月に荒木村重(田中哲司)が摂津有岡城で織田信長(江口洋介)に謀反した"有岡城の戦い"。
それに呼応して信長に背き、毛利氏と通じたことから、官兵衛の運命も大きく翻弄させることに...。
5月11日日曜日放送の第19回から6月15日日曜日放送の第24回までの間...。
もちろん大揺れに揺れてしまうんだろうなあ。
それが、結果としていかなる末路をたどってしまうこととなるのか?
最後の答えは、7月13日日曜日放送の第28回。
本当に気になるもの。
片岡鶴太郎か。
失礼ながら、当初は、あの1980年代のお笑いブーム真っ只中でのフジテレビ『笑っていいとも!』『オレたちひょうきん族』で見せる、バカげた振る舞いが売り物の芸人にしか見えなかった。
転機はやはり、1988(昭和63)年当時、「今までの自分が嫌になり、それを否定したかった」という理由からプロボクサーテストを受験して合格したことかなあ。
それまでの"小太り"から"シャープ"な体型へ急激に変貌したことから、運気上昇とでもいうんだろうか。
後年耳にするところでは、元々俳優志望で、高校卒業後に清川虹子の自宅へ何のあてもないままいきなり訪問、弟子入りを志願したが、清川には会えず、清川の付き人から「男の付き人は採らない」と断られ、最後には警察を呼ぶと言われ断念した経緯があったという。
当初の目論見が崩れてしまい、やむを得ず生活のためしばらく土木作業員などの仕事を経験した後、1973(昭和48)年に声帯模写の片岡鶴八に弟子入り、声帯模写で東宝名人会や浅草松竹演芸場などの舞台に出演するようになったとか。
その下地の積み重ねも大きく好作用したんだろうなあ、あの1988(昭和63)年公開の映画『異人たちとの夏』の監督・大林宣彦に江戸弁を気に入られ主人公の父親役に抜擢されると評判を呼び、多くの映画賞を受賞、活動の軸足を俳優へ。
そして、役者としての決定的評価を得ることとなったのが、1991(平成3)年のNHK大河ドラマ『太平記』で演じた北条高時。
腐敗する幕府・北条家の象徴である鎌倉幕府第14代執権、かつ闘犬にうつつを抜かす暗君である傍ら、偉大な祖父で第8代執権・時宗や父で第9代執権・貞時と常に比較され続けた劣等感を抱く内面や、長崎円喜(フランキー堺)・高資(西岡徳馬)親子の専横に幕府をかき乱される様子に心を痛めている姿も描かれて、単純に暗君として片付けることができない人物として見事に魅せてくれて...。
第22回までの登場だったものの、存在感は圧倒的だった。
この度の軍師官兵衛で演じることになる小寺政職も、暗君とまでは言えないものの、優柔不断な性格の反面、人の才を見抜き己の保身を図ることには敏い、ということにおいては、北条高時に近いかもしれない。
どのように魅せてくれるかが、楽しみだ。
いわゆる"芸人上がりの総合俳優"といえば、クレイジーキャッツからハナ肇と植木等、てんぷくとりおから三波伸介と伊東四朗、ザ・ドリフターズからいかりや長介、ネプチューンから原田泰造、を思い浮かんでしまうけど、彼ら同様、存在感抜群だし、大成してゆくことになるんだろうなあ。
しかも、片岡鶴太郎には、芸術家としての顔もあるし、あらゆる面においての"芸に生きる人間"として、末永く生きていき、熟成することになるのかもしれない。
2013-11-22 |
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