軍師官兵衛 キャスト 田中圭
2014(平成26)年1月5日日曜日放送開始の第53作目のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』での主人公・黒田官兵衛(岡田准一)の仕官する主君と言えば、羽柴秀吉のちの豊臣秀吉(竹中直人)。
その一方で、秀吉と強い主従関係にある武将として、第一に思い浮かぶのは、やはり石田三成。
初登場は、2月23日日曜日放送の第8回。
NHK大河ドラマで、豊臣秀吉と石田三成を演じた俳優をそれぞれ振り返ってみれば、
1965(昭和40)年放送の第3作『太閤記』での緒形拳と石坂浩二、
1978(昭和53)年放送の第16作『黄金の日日』での緒形拳と近藤正臣、
ついつい思い浮かんでしまうもの。
そして、この度の第53作では、竹中直人と田中圭。
その田中圭演じる石田三成は、1560(永禄3)年、近江国坂田郡石田村(現・滋賀県長浜市石田町)の生まれで、郷名を苗字とした土豪・石田正継の次男。
羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)が織田信長(江口洋介)に仕えて近江長浜城主(長浜市)となった1574(天正2)年頃から[1577(天正5)年説もあり]、父と兄と共に秀吉に仕官し、自身は小姓として仕えることに。
やがて、秀吉が信長の命令で中国攻めの総司令官として中国地方に赴いたとき、これに従軍。
1582(天正10)年6月、信長が"本能寺の変"により横死、次の天下人としての秀吉の台頭に伴い、三成も秀吉の側近として次第に台頭。
特に、1583(天正11)年、"賤ヶ岳の戦い"では柴田勝家(近藤芳正)軍の動向を探る偵察行動を担当、また『一柳家記』によれば、先駈衆として一番槍の功名をあげたらしく...。
翌年の1584(天正12)年、"小牧・長久手の戦い"にも従軍。
同年、近江国蒲生郡の検地奉行を務めることに。
石田三成への大勢を占めることとなる一般的な見方を形成させることの始まりは、秀吉から堺奉行に任じられたことからか...。
堺を完全に従属させてからの、兵站基地としての整備が大きいんだろうな。
秀吉の1587(天正15)年の九州征伐への大軍の動員、かつ比較的短期間で終わらせる勝因の1つは、水軍を最大限に活用して大軍を動員・輸送する能力。
以上の秀吉の軍事機能を支えたのが、後方の兵糧・武具などの輜重を担当した三成ら有能な吏僚たち。
九州平定後には、命じられて博多奉行となり、後の1592(文禄元)年の"文禄の役"と1597(慶長2)年の"慶長の役"の後方支援の拠点となる博多復興に従事。
また、1588(天正16)年、取次として薩摩国の島津義久の秀吉への謁見を斡旋。
余談ながら、この島津家の取り込みが、後の豊臣家に陰ながら好作用し、さらなる遠い将来には、運命を大きく左右することになるとは...。
いずれにせよ、強く実感することは、吏僚としての優れた行政能力と着実な実績の積み重ねによる功績が大きかったゆえなんだろうか、かの"文禄の役"における秀吉と現地の連絡役という立場での行動と、朝鮮出兵後の講和問題が、豊臣家中において、加藤清正、福島正則、、細川忠興、浅野幸長、池田輝政、加藤嘉明、そして黒田長政(松坂桃李)の7将をはじめとする武断派の反発を招くこととなってしまって...。
とある見方によれば、三成はいわゆる豊臣政権の五奉行の中でも随一の実力者であって、毛利・上杉・島津などの大大名も秀吉への取り成しは常に自身を通じて行わせたたことで、次第に傲慢になっていったという。
確かに戦における修羅場をかいくぐって武功を上げた人間にすれば、言いようのない反発を抱きたくなるかもしれない。
加えて1595(文禄4)年、秀吉の命により、秀吉の甥・豊臣秀次を謀反の嫌疑により糾問したとされる、"秀次事件"のこともあるし。
哀しいかな、「勝てば官軍、負ければ賊軍」の見方が強いから、冷徹に見えてしまうのかなあ。
義侠心あって私心ない人間であることだけは信じたいなあ。
検地での働きから、秀吉が九州に33万石の領地を与えようとしたところ、三成は自分が九州の大名になってしまうと大阪で行政を担当する者がいなくなり国政に支障が出る、という理由で加増を断ったこと。
1600(慶長5)年の"関ヶ原の合戦"の3日後に落城した居城の佐和山城へ乗り込んだ小早川秀秋、脇坂安治らの武将の驚きよう。
すなわち、壁は板張りで上塗りされずむき出しのまま、庭には風情のある植木もなく手水鉢は粗末な石、金銀も少しもないといった、あまりの質素さ。
近江国(滋賀県)古橋村が飢饉に襲われた際の米百石の恩義から、戦に勝利した徳川軍による咎めの責任を一身に引き受けるために、刑死覚悟で妻を離縁して、三成を匿った与次郎太夫という百姓の思い。
山中の岩窟に身を隠し、義侠心ある与次郎に咎めが及ばないよう、説得して自身の居場所を徳川軍へ告げさせた三成の思い。
本放送で描写されるかなあ。
まして、演じる田中圭自身が、石田三成に惹かれているならば、なおさらのこと。
そして、1996(平成8)年放送の第35作『秀吉』での、竹中直人と小栗旬(幼少時代のみ)、に匹敵する主従関係を魅せてくれるかどうかが、気掛かり。
後の2009(平成21)年放送の第48作『天地人』で元服後の三成を演じることとなった小栗旬は、田中圭と同じトライストーン・エンタテイメント所属。
あの田中圭のこと、小栗旬と良い意味で刺激し合った上で、役作りに臨むんだろうなあ。
その田中圭と小栗旬が共演した作品と言えば、2009(平成21)年公開の映画『TAJOMARU』を思い出した。
田中圭演じるは、代々管領家を引き継ぐ名門・畠山家の次男・直光(小栗旬)と兄弟同様に育った家臣・桜丸。
なかなかの頭脳明晰で一筋縄にはいかない人間らしくて...。
急進的な石田三成、と例えてしまうのは、いささか的外れかなあ?
いずれにせよ、主人公の官兵衛と敵対する以上、最大の天敵として描かれることは、間違いなしの予感が...。
11月9日日曜日放送の第45回終盤においての秀吉死去で崩壊の序曲の幕が切られてから始まって...。
11月16日日曜日放送の第46回早々よりの動乱への前触れ...。
やがて、12月14日日曜日放送の最終回序盤での関ヶ原の戦いの終焉...。
いかなる最期となるのか...。
2013-12-18 |
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