足摺り水族館 漫画 panpanya
失礼ながら、ちょっとした気まぐれで、読んでみたくなった。
『足摺り水族館』(著者:panpanya / 出版:1月と7月)
2011(平成23)年にすべて手作業で制作された作品集成『ASOVACE』を再構成し、特殊な形態のため未収録となっていた「足摺り水族館」と、書き下ろしの紀行文などを加えた、現在のpanpanyaに至るまでの作品集として、昨年2013(平成25)年8月30日金曜日に発売。
過ぎ去っていった消費社会の残像と、緻密かつデタラメに浮かび上がるハイコントラストな風景が生み出す既視感。
ここ最近の仕事上、家にこもって仕事する関係上、趣味の一つである旅とは御無沙汰ゆえ恋しかったことあって、フワフワとした下書きのような人物と書き込まれた背景の対比の絵柄の面白さに惹かれて、即購入。
主人公が夢か現実か知らない世界に迷い込む物語においての、独特の雰囲気。
どこか見覚えがあるのに一回も歩いたことのない妙ちきりんな街は、リアルでもファンタジックでもない夢のよう。
その中を歩いていく姿が丹念に、道端の物を横目に見たりそれらに一考したり、次は向こうに行こう、と視線を動かす姿の繰り返し。
途中に入った書き下ろしの紀行文も、なかなかにおもしろく、特に「足摺海底館」の写真は、著者の漫画を思わせる非現実感で、実際に足を運びたくなったくらいの旅情感。
全体を通して、実感したのは疎外感でなく、没入感。
導入はじめ以後の雰囲気の面白さのまま、結末まで続いたのが嬉しかったなあ。
良い気分転換や頭の体操に、ふさわしいかもしれない。
2014-03-30 |
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