浅野忠信 私の男 ロング・グッドバイ
素晴らしき余韻は、まだまだ続きそうだ。
あの1953(昭和28)年刊行のアメリカの作家レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説で私立探偵フィリップ・マーロウが主人公の『長いお別れ(The Long Goodbye)』を原案に、浅野忠信の連続ドラマ初主演作品のNHK土曜ドラマ『ロング・グッドバイ』が、4月19日土曜日から5月17日土曜日までの全5回放送終了して...。
原作のテリー・レノックスこと原田保(綾野剛)をゆきずりで助けて以来、酒を汲み交わす仲になりながらも、心ならずも永遠の別れとなってしまい、傷つきながらも真相を求めて方々を駆け回る、原作のフィリップ・マーロウこと増沢磐二(浅野忠信)の姿、未だに忘れられない。
追い詰められれば、良くも悪くもとてつもない力を発揮する、といった点で...。
それだけに、生き抜くことへの必死さが、心に響いてゆくかのようだった。
それは、6月14日土曜日より公開中の熊切和嘉監督の映画『私の男』で、浅野忠信演じる主人公・腐野淳悟にも、言えるかもしれない。
驚いたことに、その映画『私の男』は、6月28日土曜日(日本時間同日深夜)に、第36回モスクワ国際映画祭のコンペティション部門で、最優秀作品賞と最優秀男優賞を受賞したという。
日本映画の最優秀作品賞受賞は、1999(平成11)年公開の故・新藤兼人監督の映画『生きたい』以来15年ぶり。
最優秀男優賞受賞は、1983(昭和58)年公開の映画『ふるさと』の故・加藤嘉以来に31年ぶり。
もちろん、浅野忠信にとっての国際映画祭のコンペ部門での個人受賞は、初めて。
2011(平成23)年に映画『マイティ・ソー』でハリウッド進出を果たして以来、国外でも活躍する実力派の“国際俳優”としての地位を確立させたということになるんだなあ。
物語に関しては、孤児になった少女・腐野花(二階堂ふみ)と、事情あっての疎遠を経て彼女を"養女"として引き取った実父・腐野淳悟(浅野)との、禁断の愛...。
監督のモラルを問われる描写のあった一方で、愛の本質に迫った内容に、絶賛の声が上がるまでに。
確かに衝撃だった。
浅野忠信のさらなる飛躍が楽しみ。
9月17日水曜日には、『ロング・グッドバイ』のDVD/Blu-ray BOXが発売か...。
ただ、『私の男』の場合は、いつ頃の発売になるのか、気になるところ。
それまでの間は、2007(平成19)年10月刊行の桜庭一樹原作本に、目を通してみようかなあ。
2014-06-30 |
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