西原理恵子 作品 西原理恵子の人生画力対決
先の『スナックさいばら おんなのけものみち』シリーズを読み続けるのと並行して、時折気分転換を目当てに横目にすることとなったのが、終えた勢いが尾を引いているせいなのかもしれない。
2010(平成22)年3月から始めた『西原理恵子の人生画力対決』(小学館)と題したシリーズもなかなか面白そうな企画で、今年2014(平成26)年6月30日月曜日発売時点で第7巻まで。
サイバラこと西原理恵子が大御所漫画家たちを相手にしたと"お絵かき対決"とは...。
美大出身者ならば誰でも抱きたくなる感情なんだろうなあ。
漫画家は本当に絵がうまいのか? 絵が下手なくせに、無駄に売れてしまっているだけなのか? といった漫然とした思いを、"お絵かき対決"として、実行か...。
「ライブで画力対決」...。
その場で「ドラえもん」「鉄腕アトム」などのお題を与えられ、お客さんの目の前でペンを入れるという真剣勝負となれば凄いこと。
仕事場とは全然違い、参考資料は一切見ることができず、下書きもなし。
もちろんアシスタントも使えない。
事前準備が全くできない状況で、己の記憶力と作画力だけを頼りに、どこまで描けるのか、というそれぞれの漫画家の意地と誇りをかけた戦い、または挑戦とでも言うのかなあ。
絵は上手だけど本物に似せる気が全くなく自分のタッチで描く人、そもそも下手すぎる人など、かなり笑えて笑えて...。
自分の下手さは半ば棚に上げて、有名漫画家に対し遠慮会釈ない毒舌を吐くサイバラ節の炸裂が通用するのは、サイバラも身体張っているがゆえ。
結果として、酷評したとしても嫌味にならないということに???
一方で、対戦相手からの話の引き出し方も巧みで、文字通り、彼等の漫画家人生が垣間見える点も、面白いや。
どこの世界でも、このような駆け引きは必要なんだろうなあ。
いざ毒舌に直面した時の対処の仕方とか...。
「すべての漫画家に喧嘩売ります」と豪語したことが功を奏した(?)のか、実際に描き上げられたのは、まさに爆笑もの。
一時の気休めとして目を通すのは、いい気分転換になれそうで、嬉しいや。
同時に、完成に至るまでの"目に見えない努力"というものにも、想いを馳せてみたいなあ。
2014-07-15 |
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