花燃ゆ あらすじ ネタバレ 第5回
2月1日日曜日に放送。
1854(安政元)年、長州藩へ檻送された寅次郎(伊勢谷友介)は、野山獄に幽囚の身。
そこは、東西に延びた二つの棟が、中庭を中心に南北に向かい合せの造りになっており、合計11人が幽閉。
それぞれの独房の一間は2畳のみの広さ。 薄暗さにあっても、中庭の臨める小さな窓だけが唯一の明かりだった。
書物の差し入れに出向いた文(井上真央)は、岩倉獄に幽囚となった病身の金子重輔(泉澤祐希)の容態を気にかけていることを知ることに。
江戸の幽囚の折に皮膚病にかかった上に風邪で肺炎をこじらせているという。 追い討ちをかけるように、岩倉獄での劣悪な環境が、さらに悪化させているとか。
心を痛めた文は、帰りに面会を拒まれて悲しげな重輔の母で染物屋を切り盛りするツル(麻生祐未)と遭遇。
学問を究めるとともに武士になるという重輔の強い想いを信じて温かく江戸に送り出したのに、罪人として戻ってくるならば、強く反対すべきだったとのツルの後悔を直に耳にして、ますます心を痛めた文は、野山獄の獄吏・福川犀之助(田中要次)に、話し合いを試みることに。
梅太郎(原田泰造)と妻・亀(久保田磨希)が明倫館から、伊之助(大沢たかお)が江戸から、それぞれ取り寄せた書物は、寅次郎入獄2日目にて百冊を超えていた。
江戸では、伊之助がなじみの蕎麦屋で、寅次郎のために用意した書物を携えた一人の長州藩士と対面していた。
その男の名は、桂小五郎(東山紀之)。 のちに「維新の三傑」と一人として讃えられる木戸孝允だった。
伊之助と小五郎は思うところを語り合う中でのこと、寅次郎の密航騒ぎの一件で寛大な裁きの決め手となった老中首座・阿部正弘の悪口で賑わう町の人たちに、伊之助は怒りの勢いで抗議。
一触即発寸前を察して、小五郎が強引に伊之助の手を引き、やがて安全なところで落ち着くと、互いに笑い合った。
のちに二人は、他藩の志士たちの交流で、将来の「維新の三傑」と一人となる西郷吉之助のちの隆盛(宅間孝行)と初めて出逢い、懇意となって...。
前後して、岩倉獄では、文の掛け合いと獄吏・福川の計らいで、ツルがとうとう獄中の重輔と対面。
しかし、重輔はかなりの衰弱でやせ細っており、意識は朦朧として...。
それでも、かの軍艦乗り込みの際のアメリカ人水兵と揉み合いになった勢いで引きちぎった西洋人の衣服をつなぎとめるボタオを握りしめながら、いつの日かまた師の寅次郎と明るい水平線に向かうことを夢見るかのようにつぶやく重輔の笑顔に、ツルは涙が止まらない。
ほぼ同じくして野山獄では、古参の囚人の一人で、かつての明倫館の秀才だった富永有隣(本田博太郎)が、かつての秀才ぶりの高じて傲慢な物言いから多くの人が離れた時と同じような罵詈雑言を、寅次郎に浴びせ続けるも、寅次郎は生きる意欲の強さと受け止めて、穏やかに応じては学問の大切さを口にして...。
そこへ文が寅次郎の元を訪ねて、重輔の死を知らせた。
獄から家に向けて重輔の亡骸を運ぶツルと弟・善兵衛とすれ違ったという。
文は、これまでの寅次郎の行いのために、家族がつらい思いをいしてきたこと、重輔がボタオを握りしめながら寅次郎とアメリカ行きを夢見ていたことを、切々と伝えて、大義のために周囲に犠牲を強いる寅次郎を涙ながらに強く非難。
その強い訴えに、ほかの囚人たちも格子際に耳を傾け、獄吏・福川も気にならずにはいられなかった。
それでも、寅次郎の姿勢は変わらず。
いたたまれなくなった文が野山獄を後にしてしばらく、獄からの寅次郎の号泣が響き渡った。
家へ戻った文は、母・滝(檀ふみ)の胸で思いっきり泣きじゃくった。
数日が経った日の朝、夜のうちに降り続けた雪が止んで間もない頃のことだった。
文は陽の光を浴びようと戸を開けて、水瓶の蓋の上を何気に見ると、二つ折りの半紙に包まれたボタオを発見。
ツルからだった。
数日前にすれ違った重輔の亡骸に寄り添うツルからボタオを貰いたかったものの、文が寅次郎の妹と知るなり素っ気なかったため、あきらめかけていただけあって、文の心は晴れやかに。
文はボタオを手にしながら陽に向けて礼を口にし、寅次郎に届けて支えとなることを誓った。
同じ頃の野山獄では、寅次郎が小さな窓から眩しそうに目をやると、中庭で水汲みをしている女性と目が合った。
ただ一人の女囚・高須久子(井川遥)との初めての出逢いだった。
寅次郎と重輔。
重輔と母・ツル。
それぞれの2人の間柄、師匠と弟子、子と母、といった関係はもちろんのことに加えて、ただ太陽の下で手を繋いで歩きたかっただけなんだろうなあ。
しかしながら、"光と影"の間柄が長く続いてしまったかのよう。
ふと思い出してしまった。
2006(平成18)年1月中旬よりTBS木曜ドラマ『白夜行』を...。
この時の泉澤祐希演じるは、主人公・桐原亮司(山田孝之)の幼少時代。
図書館で仲良くなった唐沢雪穂(綾瀬はるか/福田麻由子)に初恋をし、やがて質屋『きりはら』の店主を務める父・洋介(平田満)から彼女への性的虐待を知って、怒りのあまり父を殺害してしまう役どころ。
元凶の一人である、多額の借金を抱えた母親・文代(河合美智子)に売られて性的虐待を受け続けた雪穂も、父を殺した亮司をかばうべく文代を事故に見せかけて殺害。
以来、成長してからも、雪穂は"光"、亮司は"影"、といった運命的な関係を続けて、ともに歩むことに...。
一方の 麻生祐未演じるは、亮司の母・弥生子。
元ホステスで、夫の殺害現場に「スナックやえこ」を開業するものの、亮司がいなくなって初めて大切さに気づいて、心の苦しさから逃れるため、アルコール依存症となる役どころだった。
あれから9年後...。
泉澤祐希演じる金子重輔に光の中を歩かせるために、影となって尽くす、麻生祐未演じる母・ツルの指先は、青く染まっていて...。
もし、重輔が江戸に出ないまま萩に留まっていたのなら、そのまま染物屋を引き継いで、ささやかながらも幸せに暮らしていたのかもしれない。
そして、現在ならば、2008(平成20)年4月発売の『つくってあそぼう 藍染の絵本』(山崎和樹著作・城芽ハヤト編集 / 農山漁村文化協会)の読みやすさのように、小学生の自由研究などに大いに役立ち、楽しく手掛けていたのかもしれないなあ。
2014-12-07 |
共通テーマ:日記・雑感 |
nice!(0) |
コメント(0) |
トラックバック(0) |
編集
コメント 0