さだまさし 大沢たかお 映画 風に立つライオン
『風に立つライオン』が、いよいよ映画化実現か...。
2015(平成27)年3月14日土曜日、大沢たかお主演・三池崇史監督作品として...。
大沢たかおにすれば、まさに念願かなって感無量といったところだろうなあ。
ましてや、2009(平成21)年10月より放送のTBS日曜劇場『JIN-仁-』、2011(平成23)年4月より放送の『JIN-仁- 完結編』で、南方仁を演じきった後とあれば、なおさらのこと。
ことのはじまりは1987(昭和62)年、あのフォークシンガー・さだまさしが、父親の友人である、アフリカ・ケニアの長崎大学熱帯医学研究所に赴任し、国際ボランティア活動に従事した実在の医師・柴田紘一郎氏から聞いた話に触発されたことから。
それゆえ、作詞・作曲を手掛けることになって、同年7月下旬発売のアルバム『夢回帰線』に収録。
以後、同年11月上旬に12インチシングル盤で、1988(昭和63)年下旬にCDシングル盤で発売。
のちに、1994(平成6)年12月下旬に発売のベストアルバム『さだまさしベスト』にも収録されるまでに...。
ということは、先の同年発売のベストアルバムに収録された「風に立つライオン」の素晴らしさに強く触発されたということになるのかなあ、大沢たかおの思い入れが大きくなったらしく...。
やがて運命の糸に導かれるように、2002(平成14)年刊行のさだまさし著の短編小説集の表題作『解夏』の映画化で、大沢たかおが主演を務めることになって、2004(平成16)年10月中旬より公開へ...。
いくらかの紆余曲折を経ての2008(平成20)年5月28日水曜日、渋谷のNHKホールで『まさしんぐWORLDコンサート(さだまさしファンクラブ会員対象のコンサート)』が開催。
「まさしの部屋」と題した対談の最終日のゲストとして、大沢たかおが出演した時、熱く語ってくれたのが忘れられない。
「是非とも小説化してください。 そしたら僕が主演で映画にします」
さだまさしの快諾により、緻密な取材による歳月を経て、2013(平成25)年7月18日木曜日、『風に立つライオン』が小説として幻冬舎より発売。
以後の企画は進んで、2014(平成26)年11月に長崎県で撮影がクランクイン、ケニアのナイロビで撮影を行って...。
完成となった物語は以下の通り...。
この物語で、大沢たかお演じるは、もちろん実在の医師・柴田紘一郎氏をモデル、大学病院からケニアの研究施設に派遣させる日本人医師・島田航一郎。
かねてからアフリカ医療に生涯を捧げたシュバイツアーの自伝に感銘を受けて、医師を志した航一郎にとって、ケニア行きは願ってもない好機。
しかし、それは、女医として父の後を継ぎ離島医療に従事する婚約者・秋島貴子(真木よう子)との長い別れの始まりでもあって...。
渡航後ほどなく現地の赤十字病院からの1ヶ月の派遣要請を受けた航一郎は、到着早々より、過酷すぎる環境を目の当たりにして...。
というのも、重傷を負って担ぎ込まれる少年たちが、すべて麻薬を注射され戦場に駆り出された少年兵であることの衝撃の甚大さが...。
それゆえに、大いに翻弄されながらも、航一郎は医師としての使命感を強めることになり、戦傷病院への転籍を決意。
以来、同じく志を持って病院を支える看護師・草野和歌子(石原さとみ)や仲間とともに、尽力の日々へ...。
担ぎ込まれる傷病者への「オッケー、ダイジョブ」という言葉とともに...。
過酷な状況ながらも活き活きと働く航一郎は、医師団からの信頼も厚くなってゆく。
そんなある日のこと、少年兵・ントゥングが病院に担ぎ込まれて...。
手当てを終えた後のンドゥングは、銃傷よりも両親を目の前で惨殺され、麻薬でかき消された心の傷が甚大だった。
やがて、航一郎とともに特別な絆で結ばれてゆくことに。
以後も立て続けに押し寄せる荒波を掻き分けて久しく、2011(平成23)年3月11日金曜日、あの「3.11」こと東日本大震災が発生...。
成長したンドゥングは、航一郎から託された"心のバトン"を手に、被災地・石巻へ発ってゆく。
読み終えた感想としては、航一郎やンドゥングはもちろん、最前線で尽力する人たちの想いが、もっぱら自分の心に流れ込んで来るような気がして、涙が止まらなかった。
特に、アフリカの医療と東日本大震災が巧妙に融合して"心のバトン"のつながってゆく物語の展開は逸脱。
そして、人としてどのように生きるべきか考えさせられたことはもちろん、誰と出会うかで人生が大きく変わるということを改めて実感。
親と子、男と女、師と弟...。
そのような人と人の忘れていた心の繋がりと、まっすぐに人を思う気持ちを思い出させてくれる一冊。
”ガンバレ”は相手に言うことではなく、自分を奮い立たせるための言葉であるという想いとともに...。
「無償の愛」
これが物語におけるテーマであると同時に、小説の副題、いや本題としても通用するくらいかなあ。
まさに、長編としての魅力はもちろん、『解夏』を超える傑作そのもの。
壮大で奥行きの深い歌詞と曲調といい、そして終盤の「Amazing Grace」のハミングといい、さだまさしの取材力を支えるとてつもない人脈のなせる業と言っても過言じゃなかった。
いずれにせよ、映画公開が待ち遠しいや。
なお、ほかの出演者には、萩原聖人、鈴木亮平、藤谷文子、山崎一、石橋蓮司が,,,。
どう魅せてくれるんだろうなあ。
2014-12-10 |
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