軍師官兵衛 あらすじ DVD Blu-ray
ここ数年の間に定着しつつある"ホームドラマ大河"から一転して、2007(平成19)年放送のNHK大河ドラマ『風林火山』に匹敵する"骨太大河"に魅せられた感動とでもいうのかなあ。
それは、2014(平成26)年1月4日日曜日から放送開始となったNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』が、12月21日日曜日放送の第50回すなわち最終回をもって、ようやく終了からの率直な感想...。
まさに波瀾万丈な展開だった。
完全版DVD/Blu-rayとしては、以下の通り。
本放送後半に入って日の浅い2014(平成26)年8月29日金曜日に発売された、第壱集。
播磨国のささやかな目薬屋の家の生まれの黒田官兵衛(岡田准一/若山耀人)の幼少時代を経て元服まで描かれた第1回から始まって...。
正室となる光(中谷美紀)と木下藤吉郎のちの豊臣秀吉(竹中直人)とのそれぞれの運命的出逢い、官兵衛の嫡男・松寿丸(若山耀人=二役)が天下人・織田信長(江口洋介)の人質となるまでを描いた第12回までが、描かれており...。
中でも、幼少よりの初恋相手・おたつ(南沢奈央)の非業の死はもちろん、松寿丸が信長の人質となる前後の経緯における人間模様、特に母・光(中谷美紀)の涙には、不覚にも感涙。
いずれにせよ、本放送開始早々より、これまでの大きな戦国大河では隅っこの存在でしかなかった人々を丹念に描いたこと、これまで脇役だった官兵衛が、本放送では主役としての堂々とした姿勢に描いていることに、心地良さを覚えてしまった。
本放送最終回に近い2014(平成26)年11月28日金曜日に発売された、第弐集。
織田方と毛利方との狭間に揺れる主君・小寺氏職(片岡鶴太郎)に翻弄される播磨国しと周辺の動向。
旅先の出逢いで親交を持ち一介の浪人から身起こして摂津国主に上り詰めるも、自身の失策ゆえの信長への恐怖心からの謀反で説得に来た官兵衛を有岡城に幽閉した荒木村重(田中哲司)の存在感。
1年後の陥落による救出そして黒田家との再会。
人質から解放された松寿丸改め黒田長政(松坂桃李)の初陣。
高松城水攻めと本能寺の変での信長謀殺と謀反人・明智光秀(春風亭小朝)討伐のための中国大返し。
信長後継をめぐる清須会議、秀吉と柴田勝家(近藤芳正)の賤ヶ岳の戦い。
すべてが激動の流れ...。
ここでは、ドラマに求めがちな希望的観測を排除した描写の中での、個々の役者の演技力の突出が印象的だった。
特に、軍師の役割にありながら若さに任せて突っ走る勢いの強かった官兵衛が、有岡城幽閉を経て、軍師特有の冷徹さの目立つようになった変化、強く印象に残った。
そして、秀吉の天下取りへの後押しに伴う中国大返し敢行は、まさに最大の魅せ場。
2015(平成27)年3月18日水曜日に発売される、第参集は...。
官兵衛の父・職隆(柴田恭兵)の永眠から、秀吉の本格的な天下取りに向けた動きが見られ始めて...。
九州出陣以降に、官兵衛を警戒する石田三成(田中圭)による甘言も含んだことに伴う新天地・中津での試練。
あの"城井谷の悲劇"での長政の非情な決断。
小田原城陥落による秀吉の天下統一。
朝鮮出兵と秀次事件と黒田如水誕生、そして秀吉の死。
徳川家康(寺尾聰)と三成による天下分け目の関ヶ原の戦い。
それに乗じた如水の九州平定に向けての大勝負。
そして如水永眠...。
結果として、残念ながら前半に時間をかけすぎた反動なんだろうなあ。
戦の展開の速すぎる流れが、心残りだった。
それでも、終盤の九州平定を経て、関ヶ原の戦いの勝者に決戦を挑もうとする、如水の快進撃は圧巻そのもの。
それを裏付けるかのように、九州平定の要所要所における過程も要点を突くかのような描写、満足といったところ。
やはり、最終回は1時間半近くほしかったかなあ。
全体を通して、"骨太大河"であることと、陸の孤島同然の中で生き抜く術を求められる、それぞれの人間模様は、機会あったら改めて鑑賞してみたいくらいの仕上がり。
次の本格的な鑑賞は、2016(平成28)年放送の三谷幸喜脚本で、真田幸村(堺雅人)が主人公の『真田丸』と並行する形かもしれないや。
いずれにせよ、忘れたくないこと。
黒田官兵衛の口にした「人の命はいかすためにある」という言葉。
「いかす」には二つの漢字が...。
一つ目は「生かす」。
人間はどんなことがあっても生きることを諦めてはいけない、ということ。
二つ目は「活かす」。
生きることも大切だけど、それだけでは面白くない。
自分を活かすために考え、行動することが大切なのだ、ということ。
決して忘れない。
2014-12-16 |
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