花燃ゆ あらすじ ネタバレ 第11回
3月15日日曜日の放送となれば、春一番の吹き荒れる前後の時期の放送ということになるのかなあ。
それを象徴するかのような物語の展開の予感が...。
寅次郎の幽囚室で学ぶ塾生による杉家の裏庭の母屋の改築が大詰めを迎えた頃、の進む中、前原一誠(佐藤隆太)は初めて足を踏み入れようとするも、塾生たちの活き活きとした様子に身動きのとれないまま...。
最後に、敏三郎(森永悠希)が一筆した「松下村塾」の看板を、久坂玄瑞(東出昌大)とともに笑みを浮かべながら、玄関口の真上部分に掲げてゆく。
同じく様子を眺める文(井上真央)は、玄瑞と目が合って、思わず微笑み合った。
ほどなくして、寅次郎(伊勢谷友介)による『女大学』の講義が開かれて、文と母・滝(檀ふみ)、長兄・梅太郎(原田泰造)の妻・亀(久保田磨希)、江戸遊学中の塾生の吉田稔麿(瀬戸康史)の妹・ふさ(小島藤子)、同じく塾生の入江九一(要潤)・野村靖(大野拓朗)の妹・入江すみ(宮﨑香蓮)が、受講することに。
「女は容(かたち)よりも心の勝(すぐ)れるを善(よし)とすべし」
しかしながら、かねてからの孟子の講義を期待していたことに反していたからか、誰もが退屈そうなままだった。
講義を終えた後は、次の縁談は誰になるかの話で盛り上がっているものの、文には何の実感もわかないまま。
それよりも、塾と塾生のために下準備に夢中になる方が性に合っていた。
そんな文を見かねのは、伊之助の妻で文の姉・寿(優香)。
将来か世間体かによる心配からか、苦い顔。
同じ頃、寅次郎は江戸の稔麿から贈られた『菓子話船橋帖』と添えられた書状による心遣いにより、微笑ましい心地に満たされていた。
しかし、書状に目を通すにつれ、表情に緊張が走り始めて...。
アメリカ総領事・タウンゼント・ハリスが、通商条約締結のため江戸幕府第13代将軍・徳川家定への謁見を求めたものの、下田での会談を拒絶された反発から、江戸湾内に艦隊を進めた経緯に関してだった。
かの一件は、すでに萩城大広間においても採り上げられていた。
藩主・毛利敬親(北大路欣也)を前に、藩右筆・椋梨藤太(内藤剛志)が幕府から忠義を見定められている立場上、幕府の意志に従うべしとの主張に対し、伊之助(大沢たかお)は時期尚早と異を唱えた。
しかし、恭順の意志を示す重臣の多さから、あっけなく一蹴されてしまった。
そして、松下村塾でも議論が沸騰...。
アメリカの求める通商条約をめぐって、玄瑞はかねてからの持論である条約締結破棄を主張。
逆に、伊藤利助(劇団ひとり)は、より広い交易で国を豊かにできないのみならず、学ぶものも学べないと、玄瑞と真っ向から対立。
二人の気持ちを痛いほど解かる靖は、心が揺れてしまって...。
寅次郎は、自身と同じく黙って議論を見届けている一誠に、あえて尋ねてみると...。
一誠は、どうして外の方ばかりに目を向けてしまうのか、という素朴な疑問を口にするだけだった。
目出村の生まれの一誠は、武士も百姓も関係なしに、朝から晩まで田畑で働き通しでも、貧しさのなくならないもどかしさを抱える人たちの多さを訴えて...。
いかに学問だの攘夷だの開国だのと声高に主張しても、足元がおろそかになれば、元も子もない。
そうならないためにも、貧しい人たちのための力になりたいと、一誠は伝えた。
一誠のまっすぐな心に打たれた寅次郎は、講義が終わるとすぐに、『日本政記』を一誠に与えた。
ともに日本のこれまでの成り立ちを学びたいとして...。
文が変わらず塾生の世話に夢中になっているところへ、寿が訪ねてきた。
悪い虫のつくことを嫌ったからか、しかるべきところに嫁がせるのが、一番の幸せであると、塾生たちを牽制するなり、玄瑞を御目付役として椋梨邸での茶話会に文を連れて行く旨を伝えて...。
茶話会の日、文は『菓子話船橋帖』に載せられたのをまねて作り上げた煉羊羹を、心尽くしとして手にしながら、寿と玄瑞とともに椋梨邸へ。
緊張から文は、少々の楚々をしてしまうものの、藤太の妻・美鶴(若村麻由美)は、笑って済ませるだけ...。
どうやら、寿がかねてから働きかけていたかのようだった。
文は、自身の縁談の布石であることを察した。
同時に、ただ良家に嫁ぐことだけが幸せなのか、という疑問が少しずつ強まってゆく。
数日の過ぎた後には、椋梨邸での香の会...。
茶話会よりは表面上滞りなく流れて、文と寿は安堵。
しかし、この日も御目付役として同行していた玄瑞の心は晴れないまま。
寅次郎を目の敵とする藤太と深いつながりのある嫁ぎ先に文を取り込まれてしまうのでは、という心配からか、裏目に出てしまっては、文と些細なことで言い争いが多くなってしまって...。
玄瑞は途方に暮れてしまい、足の向くまま食事処へ入ると、偶然にも伊之助と酒を汲み交わすことに。
伊之助も途方に暮れていた。
かつて仕えた重臣の周布政之助(石丸幹二)と再会して、思うことを語り合おうと酒を酌み交わしたものの、藤太に仕えたことへの反発と酒の勢いから、裏切者呼ばわりされて、そのまま物別れになってしまったという。
玄瑞は、文とのこれまでの経緯と、心と裏腹なことを言葉に出してしまうもどかしさを打ち明けた。
伊之助も、実父である藩医・松島瑞蟠(佐藤一平)が藩の上層部に意見したために自害に追い込まれた経緯を打ち明けて...。
玄瑞の酒が深まり、思いを受け止めた伊之助は、優しく励まして食事処を後にした。
ある決意を固めながら...。
明くる日、萩城大広間の敬親の前に、多くの重臣たちが集った。
藤太が主導する強い流れのまま、幕府恭順のためにもアメリカとの通商条約締結の方向へ進言すべきとの主張が正式に決定する寸前だった。
伊之助が異議を主張。
通商条約締結を時期尚早と進言すべき理由として、幕府は服従ではなく意見を求めていること、外国人の治外法権が認められているままでの条約締結は我が国にとって取り返しのつかない事態を招く恐れの大きいこと、国全体をより良き方向へ進めてゆくこそが幕府への最大の忠義であることを...。
伊之助の言葉に動かされた政之助も、時期尚早の旨を進言すべきと主張。
さらに雪崩を打つかのように、ほかの重臣たちも同調してゆく。
これで、通商条約締結の時期尚早の旨の幕府への進言が、正式に決定。
藤太は政務役の任を解かれ、代わりに政之助が台頭することに。
この度の経緯を書状をしたためた伊之助からの書状を受け取った寅次郎は、文と玄瑞を一室に招いて、ありのままを打ち明けた。
そして、文と玄瑞に夫婦になるようにとの、伊之助からの勧めが...。
玄瑞は当惑。 しかし、文は義兄の伊之助の見定めた上での勧めを信じることに。
こうして、文と玄瑞の縁談に向けての段取りが進んでゆく。
これで晴れて文と玄瑞の縁談へ..。
ここまでに至る文と玄瑞それぞれの揺れる心、まさに見逃せない。
そして、江戸の稔麿から贈られた『菓子話船橋帖』に載せられた心尽くしの品...。
人と人との関わり合いの始まりの一つとして、特に和菓子は格別な贈りもの。
現代ならば、この年2015(平成27)年1月29日木曜日発売の『松平定知の江戸・東京老舗グルメ探訪 "食の歴史"をひも解く名店の味めぐり』(「江戸楽」編集部・松平定知/メイツ出版)に匹敵する価値なのかもしれないや。
文が茶話会と香の会に贈ることとなる『菓子話船橋帖』から作り上げた煉羊羹か...。
より洗練されたものとするならば、1880(明治13)年に創業した『船橋屋 瀬止凡』の「船橋屋 美味菓子工房」による丹精込めて作られた和菓子へ...。
【本練羊かん】、【青のり羊かん】、【黒糖羊かん】、【栗羊かん】...。
なかなかの美味しさ...。
さらに、「春は曙 やふやふ白くなりゆく 山ぎは」の書き出しで始まる清少納言の枕草子を彷彿とした和菓子【春は曙10個入】も、夢見心地な美味しさ。
胡桃の入った黒餡とチーズの入った白餡の二種類があって、どこか懐かしくも新しい饅頭。
この回での煉羊羹...。
文と玄瑞の祝言でも出されることになるのかなあ。
いずれにせよ、和菓子に象徴される人と人との関わり合いの始まりとなる心尽しに関して...。
より良きものになること、それが永遠のものであること、祈りたいなあ。
2015-02-01 |
共通テーマ:日記・雑感 |
nice!(0) |
コメント(0) |
トラックバック(0) |
編集
コメント 0