花燃ゆ あらすじ ネタバレ 第14回
4月5日日曜日に放送。
1858(安政5)年6月19日の日米修好通商条約の締結から間もない8月、孝明天皇が幕府の頭越しに水戸藩へ密勅...。
朝廷を通さずに独断で条約を締結した幕府を咎める内容であることを、大老・井伊直弼(高橋英樹)が知るのに、時間はかからなかった。
ただちに、水戸藩との直接・間接を問わず関わりのある者をすべて反逆者として詮議し捕えるよう、老中首座・間部詮勝に厳命へ...。
いわゆる「安政の大獄」のはじまりとなった。
大獄の嵐は、瞬く間に萩にも襲来して...。
江戸での遊学を切り上げてきた松下村塾塾生の入江九一(要潤)と野村靖(大野拓朗)の兄弟曰く、京では以前に塾を訪ねた小浜藩儒学者・梅田雲浜(きたろう)や塾生の赤禰武人(阿部亮平)が幕吏に捕えられ、久坂玄瑞(東出昌大)は行方知れずとのこと。
寅次郎(伊勢谷友介)はじめほかの塾生そして文(井上真央)は、ますます心配に...。
寅次郎は寝る時間を削っての意見書の書き付けに専心。
伊之助(大沢たかお)は朝廷を守る旨を記した建白書を書き上げて、重臣・周布政之助(石丸幹二)の元へ。
しかし、幕府に恭順な直目付・長井雅楽(羽場裕一)に阻まれてしまう。
政之助も同じ姿勢だった。 しかし、伊之助の気持ちを察して、寅次郎の将来を守るためにもわかってほしいと、念を押す。
間もなく、江戸遊学中の吉田稔麿(瀬戸康史)も藩命による家中取りまとめのため、萩に帰着する。
そして、玄瑞の無事を知らせることとなり、文と塾生は安堵することに。
しかし、寅次郎の心は電光石火のような勢い...。
塾生全員を集めるなり、大老・井伊直弼への揺さぶりのため、老中首座・間部詮勝の暗殺実行への賛同を募って、血判書に拇印を押させるまでに。
陰ながら知ることとなった文は、血の凍るような恐怖に戦慄...。
師の寅次郎を慕い血判書に拇印を押した稔麿は、秘かに人伝で知ることとなった藩上層部から御役御免に。
文から暗殺計画と血判書の一件を知らされた家族は、大きな衝撃に揺さぶられて...。
叔父・文之進(奥田瑛二)は死罪だけではすまず藩の存続すら危ういと解かってのことかと、烈火のごとく大激怒。
それでも、寅次郎は「藩や家族に背いてでもなさなければならないことがある」と、冷静ながらも頑ななまま。
父・百合之助(長塚京三)は涙ながらに寅次郎を殴り倒し、自分を殺してから行けと、立ちはだかった。
そこへ、伊之助が訪ねて、無情にも寅次郎に一言。
「お前は先生に呼ばれるに値しない」
寅次郎の身を心より案じる、伊之助の精一杯だった。
12月、伊之助の取り成しにより、松下村塾の閉鎖と寅次郎の野山獄の入牢へ...。
いよいよ「安政の大獄」という大嵐の到来へ...。
大老・井伊直弼を演じるは、高橋英樹。
いわゆる幕末の偉人を演じることとなったNHK大河ドラマを振り返れば、
1968(昭和43)年放送の司馬遼太郎原作の『竜馬がゆく』で土佐勤王党の盟主・武市半平太を演じたことに始まって...。
以後は司馬氏の肝煎りで、1977(昭和52)年放送の『花神』では越後長岡藩牧野家家臣・河井継之助、1990(平成2)年放送の『翔ぶが如く』では薩摩藩国父・島津久光を演して芸域を広げることとなって...。
18年後の2008(平成20)年放送の宮尾登美子原作『篤姫』では、久光の異母兄で薩摩藩第11代藩主島津斉彬を演じることに...。
そして、この度の『花燃ゆ』では、島津斉彬と次期将軍問題で対立することとなる幕府大老・井伊直弼に...。
高橋英樹本人としては、井伊直弼に対する賛否両論の考えはあるものの、非常に感慨深い役どころとのこと。
なぜならば、芸の師匠である二代目・尾上松緑が演じた役であること...。
すなわち、1963(昭和38)年4月7日日曜日から12月29日日曜日までの全39回放送のNHK大河ドラマ第一回『花の生涯』での主人公・井伊直弼の姿が...。
現に、高橋英樹の初舞台も1968(昭和43)年の明治座上演の『花の生涯』。
演じたのは、二代目・松緑演じる井伊直弼の腹心・長野主馬。
感無量だろうなあ。
聞くところ、『花の生涯』で現存する映像は、第1回と最終回くらいとか...。
1963(昭和38)年4月7日日曜日放送の第1回「青柳の糸」...。
埋木舎に住む彦根藩主の末弟・直弼と長野主馬(佐田啓二)が、三日二晩、当時の世情などを語り合い、主馬は直弼にすっかり惚れ込むこととなって...。
さらに、埋木舎へ向かう道筋で出会った美しい三味線の師匠たか女こと村山たか(淡島千景)と廓・金亀楼での再会から、運命が動き始める、といった流れに...。
後年に誰もが知ることとなる出来事に至るまでの流れ、まさに否応なしに気になってしまうもの。
なお、原作となる2007(平成19)年4月発売の『花の生涯(上)(下) 新装版 長編歴史小説(祥伝社文庫)』(舟橋聖一/祥伝社) では、第1回と同じような展開から始まって、序盤は歴史小説よりも恋愛小説に重きを置くような展開。
やがて、国の時勢にまつわる問題に比重を置きつつある流れとなって...。
何よりも「歴史は勝者によって作られる」と歴史の多面性の面白さが...。
それは、物語の末路に象徴されるように、権力者の地位に立った者はすべからく権力欲の権化に決まっている、という人間を見る目の底の浅さをもあざ嗤っているかのよう。
それでも、『花の生涯』の井伊直弼は、あくまで無欲な粋人。 幕閣はおろか藩主の地位さえもが望まぬのに押しつけられたものとして、死を賭した望まぬ重責を背負わされた悲劇が見事に描き切られているのが、切なくて忘れられない。
「なぜ、広い世界に目を向けようとしないのか?」というアメリカ総領事タウンゼント・ハリスの嘆きは、大老・井伊直弼の嘆き。
考えさせられるもの。
そして、二代目・尾上松緑から、高橋英樹へ...。
しっかりと見届けたい。
2015-02-20 |
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