花燃ゆ あらすじ ネタバレ 第16回
4月19日日曜日に放送。
寅次郎(伊勢谷友介)が再び野山獄に入ってから、本人のみならず塾生たちは、心もとないまま...。
1859(安政6)年の正月となって...。
寅次郎は憑りつかれたように乱読、文は悲しみを隠して書物を届ける、といった日々が流れるだけ...。
長崎での遊学を終えて松下村塾へ出向いた伊藤利助(劇団ひとり)は、誰もいない閑散とした光景に、ただ茫然とするだけだった。
江戸での勤めを終えて萩に戻った久坂玄瑞(東出昌大)は、死を恐れない兄・寅次郎の悲しみから口を開かない文に心を痛めて、どのように接したらいいのか、ためらうばかり...。
常日頃から文の行く先を照らしてくれたのが、兄・寅次郎の存在であることを、父・百合之助(長塚京三)から聞かされた玄瑞は、できるだけ文の心に寄り添うよう努めることに...。
大老・井伊直弼(高橋英樹)による「安政の大獄」は厳しさを増して、江戸で秘かに探りを入れる藩重臣・周布政之助(石丸幹二)と高杉晋作(高良健吾)は、小浜藩儒学者・梅田雲浜(きたろう)と越前藩士・橋本左内への詮議がより厳しくなりつつあることを耳にすることになって..。
その過程で、寅次郎の名が、少しずつ周囲に広まってゆくことになって...。
やがて、江戸からの召喚状が、長井雅楽(羽場裕一)の元に...。
ほどなく梅太郎(原田泰造)が書状を手にしながら、杉家に戻ってきた。
寅次郎を江戸送りに処するとの沙汰だった。
文は、助命できるよう取り計らいたいと、涙ながらに口にするものの、百合之助はすでに覚悟を決めたかのよう。
いつものように野山獄へ足を運んだ文は、獄吏・福川犀之助(田中要次)に、江戸送り前に家族とのひとときを過ごしたいと掛け合うも、福川は内心同情しつつも、認めようとせず...。
一室にて意気消沈する文の元に、女囚・高須久子(井川遥)が訪ねて来た。
寅次郎から託されたと久子から渡されたのは、右肩上がりの寅次郎の筆跡「至誠にして動かざる者は未だこれ有らざるなり」の記された一枚の白布。
文はそれを目にしながらも、御公儀の御前で自身の考えることを口にできるのは寅次郎の何よりの幸せのはず、という久子の言葉に心を動かされ、少しずつ冷静に受け止めるようになってゆく。
文の心配に呼応するかのように、松浦亀太郎(内野謙太)が野山獄を訪ねて、格子を隔てて向かい合せとなった寅次郎の肖像画を何枚か描き始める。
そして、玄瑞の呼びかけで集結した塾生たちも面会に訪れ、寅次郎は講義。
これが最後との覚悟あってか、誰もが真摯に向き合っていた。
その光景は、伊之助(大沢たかお)の妻で文の姉・寿(優香)の心を動かして...。
寿としては、これまでの寅次郎の行いを相変わらず許せないながらも、二人の子どもを育てる母となったことと、両親を思いやる気持ちがより強まったことあって、寅次郎に杉家でのひとときを過ごせるよう、獄吏・福川へ働きかけることとなった。
それからほどなく、杉家の夕餉の席に、寅次郎とともにすることが許された。
その夕餉は、静かなひととき...。
言葉は少なくても、互いの想いは直に伝わっているかのようだった。
用足しにか何気に席を外した寅次郎を見かねた文は、偶然を装い二人きりになって、裏庭の薪の間に笠と草鞋を用意していることを伝えた。
しかし、寅次郎は亡き弟子の金子重輔(泉澤祐希)の形見のボタオとともに江戸へ行くと、静かな面持ちのまま。
いよいよ、寅次郎の江戸送りの朝...。
寅次郎は静かに家族に話した。
「あるだけの私と魂をもって井伊直弼と向き合い、御公儀を説きに行く。必ず萩に戻る」
杉家を出てからしばらく、駕籠が峠に差し掛かった。
役人から「萩の町はここで見納め」として、寅次郎はしばし外へ出ることが許されることに。
そこは、萩の町を眼下に見下ろせる場所で、俗に言う"涙松"。
振り続ける雨のために、萩の町は見えなかったが、寅次郎には優しく見えた。
萩の町の人たちが...。
杉家の家族との穏やかで温かいひとときが...。
吉田松陰は一首を残した。
「かえらじと 思いさだめし 旅なれば 一入(ひとしお)ぬるる 涙松かな」
これが、吉田松陰こと吉田寅次郎と塾生との最後のひとときになるのか、と想像してしまうと、まさに切ない。
しっかりと見届けるしかない。
そして、以下の書籍とともに...。
まず、吉田松陰研究30年間を象徴するかのような仕上がりで、原文と対訳の掲載されている、2006(平成18)年12月発売の『吉田松陰一日一言 魂を鼓舞する感奮語録』(著者:吉田松陰/編集:川口雅昭/出版社:致知出版社)...。
若き男子のために遺した生き方心得を幻の名著『武教全書講録』に学ぶ、2014(平成26)年7月発売の『吉田松陰に学ぶ男の磨き方』(川口雅昭/致知出版社)...。
"自力で"成長していく人材の育成のため、あえて"教えない"リーダーとしての吉田松陰の記された、2014(平成26)年12月発売の『吉田松陰松下村塾人の育て方』(桐村晋次/あさ出版)...。
凡百の吉田松陰と松下村塾本と一線を画し、吉田松陰と松下村塾の本当の姿、吉田松陰と塾生の恐るべき思想についてあぶり出した新たな決定版である、2015(平成27)年1月発売の『吉田松陰と松下村塾の秘密と謎』(中見利男/宝島社)...。
書籍だけではない。
いわゆる"端午の節句"すなわち"こどもの日"がめぐれば、維新の志士の精神的支柱を彷彿とさせる成長の願いの込められた【模造刀 維新の志士 魂の思想家 吉田松陰拵え・小太刀】...。
維新の志士のごとく行動するならば、山口県長門市の郷土土産として、懐かしい深い味わいのやわらか団子【やまぐち寶楽庵 吉田松陰串だんご24串(48個)】...。
最後に...。
2015(平成27)年1月発売の『吉田松陰と萩写真紀行 ノスタルジック・ジャパン』(著者:清永安雄/編集:志摩千歳/出版社:産業編集センター)...。
静かに眺めることで、吉田松陰と維新の志士に想いを馳せるのもよし。
実際に萩に足を延ばすのもよし。
特に、あの"涙松"...。
ここを過ぎると萩の町が見えなくなってしまうため、人々はここで別れを惜しんで涙し、また帰った時は嬉し涙を流したということからが、そもそもの始まりで...。
現代では、どれだけ想いを馳せている人がいるんだろうか...。
吉田松陰と維新の志士と同じような心をもって(最高の贅沢かなあ?)、これからを長く生き抜くためにも、しっかっりと学んで行動できる人たちが多く増えること、祈りたいなあ。
2015-02-26 |
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