綾野剛 単独初主演 コウノドリ 産科医 ピアノ
これは嬉しいや。
あの2010(平成22)年3月29日月曜日より放送のNHK朝ドラ『ゲゲゲの女房』や2013(平成25)年1月6日日曜日より放送のNHK大河ドラマ『八重の桜』を手掛けた、山本むつみが脚本を担当するだけに...。
取材に基づいた緻密な構成を主軸として、リアリティーを追求しつつも、さらに、そこにドラマとしてのエンターテイメント性も加え、登場人物と場所それぞれの新たな魅力をつくり出す手法に定評あるがゆえに、放送開始前となれば、いつも期待いっぱい。
加えて、この年5月1日金曜日より公開の映画『ビリギャル 学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の監督を務めた土井裕泰が、演出を担当。
そのドラマとは、10月より放送開始のTBS金曜ドラマ『コウノドリ』。
原作は、講談社の週刊漫画雑誌『モーニング』にての連載から。
2012(平成24)年7月からの短期掲載の折に、「知らなかった」「もっと読みたい」など反響の大きさあって、翌年2013(平成25)年6月21日金曜日より"MORNING KC"コミック第1巻からの定期的な発売と並行するかのように、2014(平成26)年2月より定期連載も開始されるようになって、9月23日金曜日・秋分の日には第10巻が発売されるまでに。
物語として描かれるのは、ジャズピアニストで聖ペルソナ総合医療センター産科医の鴻鳥サクラという異色の主人公の目にすることとなる、難しいお産に直面したそれぞれの男女が悩みながら答えを見いだす過程と、その光と影の現実が丹念に描かれていて...。
例を挙げるとすれば、妊産婦死亡や死産、夫の暴力に耐える妊婦など、ありとあらゆる事例が...。
小さな命をめぐるドラマは、あらゆる意味において、まさに心を打つもの。
要としては、著者の鈴ノ木ユウ氏が複数の医師に取材し、男性向けの週刊漫画雑誌にて、医師が実際に向き合っている現実、特に"お産"を丹念に描き出してゆくこと。
そのきっかけとは、里帰り出産した妻を担当した産科医・荻田和秀氏との出会いから。
特に、腕利きのジャズピアノ奏者でもある荻田氏のユニークな肩書に着想を得たらしくて...。
荻田氏は、年に1,000件のお産を扱う大阪府泉佐野市の「りんくう総合医療センター」の産婦人科部長。
現実に重症例の受け入れも多く、他にも、胎児を慈しむ親、宿った命に無関心な親、産科医が触れる"命の価値観"はさまざま。
子は親を選べないからこそ、荻田氏自身「産科医はおなかの赤ちゃんの代理人」との意識が強く、お産の現場で垣間見える社会の縮図において産科医は何ができるのか、という葛藤とともに向き合う日々。
現実に国内では、出産時に年間約50人の母親が死亡、子もその前後に約4,000人が亡くなる一方で、水際で救われている命も多いという。
いずれにせよ、物語は荻田氏の日常に重なっていて、鈴ノ木氏と共有する願いは、
「出産は二つの命をかけた闘い。お産への関心と妊婦をいたわる気持ちが読者に芽生えてくれたら」。
そして、物語の中で、サクラが訴えかける言葉、決して忘れない。
「出産は病気じゃないから皆、安全だと思い込んでいるけど、ボクらは毎日、奇跡のすぐそばにいる」
やはり、ついつい気になってしまもの。
1年という歳月が過ぎる度に、子育てを始める友人知人が少しずつ増えていって、いわゆる"イクメン"という言葉を耳にして久しいことが大きいからかもしれない。
ましてや、「男は外、女は内」といった考え方自体、時代錯誤であるならば、なおさらのことなんだよなあ。
男性も女性も、ともに支え合う時代だからこそ...。
それだけに、この度の漫画原作を前提とした山本むつみ脚本のドラマ、ますます期待が高まりそうだ。
しかも、主人公・鴻鳥サクラを演じるのが、連続ドラマ単独初主演となる、綾野剛。
そう、先の山本むつみ脚本のNHK大河ドラマ『八重の桜』では、激動の幕末において、最後の最後まで徳川家に忠義を尽くす一心から京都守護職を引き受け、倒幕後の新政府軍との戊辰戦争に直面する最後の会津藩主・松平容保の静かな熱演ぶりが...。
それが注目されての起用なんだろうなあ。
「生まれてきたすべての赤ちゃんに“おめでとう"と言いたい」と願う愛情深い産科医の顔。
「BABY」の名で、感情のすべてをピアノにぶつけ情熱的な演奏をする謎多き天才ピアニストの顔。
そんな二つの顔を持つミステリアスな役どころか...。
またまた、新たなるハマリ役が増えることになるんだろうなあ。
本当に楽しみ。
2015-07-15 |
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