おんな城主 直虎 あらすじ ネタバレ 第23回
「盗賊は二度仏を盗む」
6月11日日曜日に放送。
直虎(柴咲コウ)が酒に呑まれ、龍雲丸(柳楽優弥)にやたらと絡んだ宴会の翌日...。
かの近藤康用(橋本じゅん)が、小野家居館に参上。 菩提寺の本尊盗難と険しい顔...。
直虎が近藤の領土の木を盗んだ盗賊たちを罰せず手元預かりのみならず、材木での商い始めの噂ゆえ、罪人との決めつけの勢い...。
前夜の宴会での直虎と龍雲丸の絡む姿を直感した政次(高橋一生)は、静かに聞き入るとともに、咄嗟に図星を刺されたかのように咳き込み。 迂闊だったかのように、近藤の含みある言い分をひたすら呑み込むだけだった。
肝心の直虎は、前夜の憶えのなくなるほどの深酒の全く抜けないまま、早朝よりたけ(梅沢昌代)からのさんざんな説教。
そして、気だるさの残るままの直虎は、龍雲丸への家来の件を六左衛門(田中美央)から質されて顔面蒼白。 咄嗟に傍の方久(ムロツヨシ)に詰問するも、後の祭り。 のらりくらりとかわされるだけだった。
そこへ弥吉(藤本康文)からの、政次と近藤の参上の報せが...。
咄嗟に言いようのない緊張、誰もが身動きの取れないまま、二人が現われて...。
早速、近藤の菩提寺の本尊盗難を聞かされることになった直虎は、龍雲丸を捕らえるための完全な言いがかりと直感するも、売り言葉に買い言葉の勢い昂じて、以前のような盗みをしないと失言。
近藤はここぞとばかりに一気に畳み掛け。 咄嗟に六左衛門が制して、自身の独断と主張。 伐採の人材不足ゆえ、かような者たちに頼むしかないとの主張を直虎が認め、重労働という刑を課したまで、と。
それでも近藤は、菩提寺の本尊盗難による侮辱を、声高に主張するのみ。
そこで政次は、近藤の言い分受け入れと龍雲丸一味引き渡しを約束。 この場の流れを察した直虎の受け入れで事なきを得て、政次と近藤は引き上げることに...。
直虎は直ちに、直之(矢本悠馬)へ川縁に沿っての先回りと一味の脱出手引きを指示。 後は手を合わせて、ひたすら無事を祈り続けるしかなかった。
直之がたどり着いた頃、すでに小屋を近藤たちが包囲。
が、響き渡るは近藤の怒鳴り散らす声。
直之は一寸先の龍雲丸一味の脱出を直感。 近藤から政次への詰問を背に、急ぎ居館に戻って直虎に報告、安堵させる。
数日後、直虎からの指示で六左衛門が伐採現場の様子見。 いまだ近藤の家来たちの見張りの続いたままで、龍雲丸たちの気配も全くない。
直之と六左衛門は一件落着との受けとめ。
直虎は、南渓(小林薫)から呼び出しで、直ちに龍潭寺へ。
南渓からは、近藤の菩提寺への本尊寄贈の決意に加え、龍雲丸一味の仕業との決めつけの物言いゆえ、直虎は憮然。
察した南渓がもうここらで手を売った方がいいと優しく諭すも、事の次第を明確にすべしとする直虎は納得できない。
南渓は強く諭す。 むやみに敵を増やすのではなく、頭を下げることも当主の役目である、と。
直虎は少々納得しないながらも、菩提寺への本尊寄贈を決意。
案の定近藤は、寄贈の本尊自体簡単に代用できると考えて欲しくないとの勝ち誇った表情と物言い。
直虎は強い不満を抑えての愛想笑いを浮かべつつ、南渓とともに丁重な姿勢。 康久仏師作の釈迦像の寄贈の申し出の過程で、南渓と関わりある菩提寺の和尚は丁重に応じるも、近藤は居丈高ぶりは変わらない。
拳を握り締めながら見守っていた直虎は、意を決して自身の非として認め、近藤に深々と謝罪。
南渓は近藤の一瞬躊躇を察しつつ、寄贈のための大きさの確認を理由に、本尊の祀られていた所を見せてほしいとの申し出。
和尚の導きあって、本堂にたどり着くと、何と本尊が鎮座。
和尚の口ごもりと別のものだろうとの近藤の必死のごまかしを南渓は一瞬も見逃さず、畳み掛けるように釈明を求めると、今朝に代わりの本尊を納めたとの回答へ...。
直虎も一連の流れから筋書きを直感。 本尊と同じ康久仏師作の銘を口実に一芝居。
近藤は蛇に睨まれた蛙のよう。
咄嗟に和尚は、井伊家と近藤家の今後の繁栄の祈願のため、本尊への読経の願い出。
直虎と南渓は並んで読経することに...。
帰途の合間の茶屋での一服にて、南渓が直虎に龍雲丸の来訪を告白。
振り返ること、ふと天井裏に隠れていた龍雲丸に気付いて呼び出すなり、事の次第を伝えたところから...。
龍雲丸によれば、朝から晩まで働きづめで盗む暇ないとのこと。
南渓が先方としては意に介さないと口にすると、龍雲丸は自身らを捕らえるための新たな口実と訴えて...。
南渓は龍雲丸の鋭さを認めるなり、互いに善後策の話し合いへ。
おそらく菩提寺の本尊を動かす恐れ多さゆえ、そのままであろうものの、いざ南渓が出向くとなれば、本尊をどこかへ隠すとの予測。 ゆえに、先の企てすなわち南渓たちの話し合いの隙に隠された本尊を、龍雲丸が盗み出し元に戻すと提案したという。
直虎は感心と呆れた気持ちの混在。
南渓は笑いつつ手放しで褒められないながら見事とし、これで近藤もしばし鳴りを潜めるであろうと断言。 そして、釈然としない寂しさいっぱいの直虎を察してか、背後に目配せて呼びかけ。
直虎が振り返ると、何とそこには龍雲丸...。
龍雲丸は、唖然とする直虎を意に介さず、井伊谷に戻らないと銭ももらえない。 直虎のかばいだてがあったからには、盗みが濡れ衣であることを見せつけてやりたかった、と噴き出して....。
直虎は安堵の涙。 龍雲丸は温かい見守り。 南渓は肩をすくめながら二人に優しい眼差し。
その日も木の切り出し作業を無事に終えて誰もが安堵。 そして、龍雲丸一味に何か別の仕事を頼めないものかとの思案へ...。
あの直之ですら、人間味と知恵と技術を認めて感服し、井伊谷を守る家来衆にしたいと意気込むまでに...。
方久は、人材使いの上手さに注目、銭を呼び寄せられるとの期待の高まり...。
そして、この度の一件で、政次は黙認するしかないだろうとの見方の強まりの中...。
すかさず六左衛門が割り入る形で、あの日を述懐するには、何となつ(山口紗弥加)が一味へ逃亡を勧めに来たらしいとのこと。 もしかしたら、政次が引き渡しを装って時を稼ぎ、裏で一味の逃亡の手助けを指示したのではないか、と。
直之は偶然知ったなつの憐みによるとの見方。
しかし、直虎は同調を装いつつ六左衛門の言う通りと理解する。
事実、先の近藤の訪れにおける頃合いを見計らっての政次の咳き込みは、廊下にいたなつへの合図、一味の逃亡の指示だった。 しかも、政次は本当に咳き込むまでになって...。
誰よりも政次を案じるなつは、不安の高まり。 それに呼応するかのように、直虎が訪れて...。
直虎は政次を案じつつも、龍雲丸一味を家来として迎え入れたい旨を告白。
政次は淡々とその件に関して口出しできる立場にないと伝える。
堪らず直虎はいつまでひとりで悪者ぶるのかと案じつつ、本音を言ってほしいと訴える。 同時に、誰よりも井伊谷の将来を考えてくれていることの理解と政次の考えに従う旨を告白して...。
直虎の全身全霊に迫られ、政次は内心動揺するも、反対しない旨を伝える。 ただし、龍雲丸一味のためだけに井伊家を使うことになれば、直虎の本当の追放を考えなければならない覚悟も主張した。
夜明けとともに、直虎は六左衛門とともに龍雲丸を訪ねた。
内心緊張しつつも、仕事を終えての気賀に戻る心積もりを承知の上で、一味とともに井伊家に仕える意志の有無を問う。
龍雲丸は驚きを隠し切れない。 武家の倅だけに武家を泥棒と呼ぶほどに嫌うまでになったいきさつの理解ある直虎だけに、迫られるとかなり歯切れが悪くなって...。
結局、返事は銭を渡す時との約束。 直虎は小屋を後にし失敗を後悔したまま。 後を追う六左衛門は、まだ解からないと慰めるしかなかった。
その晩の龍雲丸は木々の隙間にこぼれ落ちる月明かりを眺めて...。
ふと忘れた去りたい過去の記憶がよみがえってきて...。
あの10歳頃、城の中で次々倒れる血まみれの人たちを目の当たりにして、立ち尽くすしかない自分自身が...。
その恐怖から、龍雲丸は震えに苦しむ一方...。
モグラ(マキタスポーツ)が案じて、直虎からの申し出は悪くない、誰もがそう思うと進言。 もう一度やり直せるかもしれない、と。
翌朝、龍雲丸は皆を集めて直虎からの申し出を皆に伝達。
さすがに盗賊だった自分たちが侍になるなど想像もつかないだけあって、誰もが困惑。
しばしの沈黙を経て、先日奇遇した農家の娘に惚れたゴクウ(前田航基)が百姓になりたいと口にしたことで、誰もが和んで前向きに...。
そして、龍雲丸が住むところなどの条件を尋ねて来たとの報せ。
直虎は胸の高まりとともに、受け入れ支度の段取りを指示。 たけはたかが盗賊上がりと不満気味。 祐椿尼(財前直見)と高瀬(髙橋ひかる)はまるで幼な子のようと感心。
いよいよ約束の日。
家臣たちは新たな家来を迎えるべく正装。 直虎は平常心とともに、いつも通りの尼小僧姿。
空に見事な龍雲が立ちのぼる中、龍雲丸たちの到来...。
直虎は、ゆったりと落ち着いた気持ちでの迎え入れととともに、数ヶ月間の勤めの労いと銭の支払い、かの返事を求めたところ...。
何と断るとのことだった。
直虎たちのみならず、ゴクウや力也たちですら予想もしない返事に、誰もが困惑。
意に介さない龍雲丸は、空の見事な龍雲が忘れられないとの不可解な言い回しで、直之を激怒、政次には密かに吹き出させるまでに...。
龍雲丸はやはり柄じゃないと軽く頭を下げると、踵を返してそのまま立ち去り...。
カジ、モグラ、力也も後に続いて...。
直虎はただ呆然と彼らの背中を見つめるしかなかった。
龍雲丸を演じる柳楽優弥...。
今後も長きにわたって、否応なしに気になってしまう。
ふと思い出した。
まず、1993(平成5)年4月24日土曜日より公開のアカデミー賞作品賞受賞となったアメリカ映画のリメイク版の日本の時代劇で、2013(平成25)年9月13日金曜日より公開の李相日監督・脚本の映画『許されざる者』...。
オリジナルの設定と同時期の明治時代初期の蝦夷地を舞台に、江戸幕府側の残党・釜田十兵衛が再び賞金稼ぎとして戦いに身を投じるさまを描いており...。
なお、渡辺謙演じる主人公・釜田十兵衛は、オリジナル版のクリント・イーストウッド演じる伝説的なアウトローのウィリアム・ビル・マニー。
そして、柳楽優弥演じるは、オリジナル版のジェームズ・ウールヴェット演じる若きアウトローのスコフィールド・キッドにあたる、十兵衛とともに賞金首を追うアイヌと和人のハーフの青年・沢田五郎。
次に、2016(平成28)年5月21日土曜日より公開...。
その年の第8回TAMA映画賞特別賞、第38回ヨコハマ映画祭主演男優賞、第90回キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞、第69回ロカルノ国際映画祭の新進監督コンペティション部門・最優秀新進監督賞、第38回ナント三大陸映画祭の銀の気球賞(準グランプリ)を受賞....。
真利子哲也監督・脚本の映画『ディストラクション・ベイビーズ』では、2011(平成23)年の愛媛県松山市を舞台、実際にバーのマスターから聞いた実話を根底に、港町で喧嘩に明け暮れる天涯孤独の主人公・芦原泰良(柳楽優弥)を過激に演じて...。
中でも、(『直虎』での井伊直政役の)菅田将暉が演じる高校生・北原裕也と行動をともにする一連の流れ、忘れられない。
そして、2016(平成28)年6月4日土曜日より公開...。
日本テレビバラエティ番組『世界一受けたい授業』の演出を手掛けた徳永清孝監督で、奇想天外のスラップスティックコメディが真骨頂の福田雄一脚本、蛭子能収長編映画初主演作品の映画『任侠野郎』...。
関東一円にその名を轟かせた主人公の元小里組若頭・柴田源治(蛭子能収)が敬愛する親分の仇をとるため斬殺した正岡組長の一人娘の時子(トリンドル玲奈)の婚約者・三田村俊樹の追い込まれる姿...。
『直虎』での、いわゆる"虐げる側"と"虐げられる側"の身の上の交錯するかのように、荒くれながらも繊細な一挙手一投足の深まり、しっかりと見届けることになりそう...。
2017-05-05 |
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