おんな城主 直虎 あらすじ ネタバレ 第26回
「誰がために城はある」
7月2日日曜日に放送。
直虎(柴咲コウ)の天晴れな行動は、またも今川家を説き伏せることとなった。
控えの間での氏経(矢島健一)曰く、材木はそのまま駿府で受け取る、すなわち申し出は聞き入れられたであろう、と。
直虎は深謝の上で今川家屋敷を後にした。
門の外には、積み上げられた材木の横で、六左衛門(田中美央)と方久(ムロツヨシ)が...。
ありのままを伝えて、互いにに無事を喜び合う中、直虎がふと何気に振り向くと、穏やかな笑顔で材木を運ぶ龍雲丸(柳楽優弥)の姿...。
直虎は微笑みつつ、この度の命拾いの礼を龍雲丸に伝えた。
ところが、数ヶ月後...。
一転して龍雲丸が井伊家屋敷に怒鳴り込みへ...。
部屋にいた直虎が、驚き慌てて飛び出し。
龍雲丸は怒り心頭。 井伊家の材木で気賀に城を造るって話じゃなかったのか、と。
直虎は本当に知らないと必死で弁明。しかし、龍雲丸は納得できない。
見かねた政次(高橋一生)が冷静に割って入った。 今川家で築城の話が進んでいる時、ちょうど成川屋の件で井伊家の材木が今川家の手に渡ったことを...。
それでも、龍雲丸の怒りは収まらない。早く材木を買い戻すことの要求の上、あの木を切ったのも、三河から取り戻してやったのも、自分たちだと捲し立てる。
政次が、その度にきちんと銭を払っていると言い渡すと、龍雲丸は怒りに満ちた目を直虎に向けた。
しかし、直虎は今川家のすることに楯突くような力量を、井伊家にないと弁明。
龍雲丸の怒りは頂点に沸騰。 結局のところ世界を変えるのは嘘、井伊家は自分を守ることしか考えてないだけだと、吐き捨てるように出て行ってしまった。
直虎は、城のできてから入る国衆を、政次に尋ねた。
浜名湖周辺を治める大沢基胤(嶋田久作)が入るのではとの見込みで、浜名湖の東側にある堀江城を拠点とする、有力かつ今川に忠義を尽くす国衆だけに、油断ならない、と。
直虎は、龍雲丸たちを気にかけつつも、見立てる。 気賀が基胤の支配下になれば、港を使うことすら面倒になる上に、龍雲党の中には、すでに後ろめたいものもいるはず。 住めなくなるようになる者も、出るかもしれない、と。
政次は、自業自得との言い分。 それでも直虎は、せっかくできた仲間を失うことと助けになれないのか、と訴えると...。
突然、政次は珍しく声を荒げた。 一体どこの当主なのか、最後に助けてくれたのは龍雲丸たちでも、秘かに直之(矢本悠馬)を筆頭として六左衛門や方久など皆の方々の奔走と尽力あって、何とか首がつながっているんだ、と。
数日後...。
今度は基胤の使者が、材木が焼かれてしまったため、より必要になったとの訴え。 城を築くことに不満のある者がいるらしい、と。
直虎は龍雲党の仕業と直感。 基胤からの手荒なことをしたくなくても武力やむなしとの言い分を耳にするなり、早速直虎は屋敷から出立。
案の定、気賀の町では、町人が暴徒化して大荒れの真っ只中。
急ぎ足の直虎は、中村屋に到達。 主人で気賀の町衆の取りまとめ役・中村与太夫(本田博太郎)に状況を尋ねた。
与太夫曰く、露雲党が築城の邪魔を始めたことに伴い、追随する者たちの出現の反面、勝ち馬に乗り換えるべく基胤に迎合する者たちの出現ゆえに、両者は対立、町民同士での喧嘩も頻発あうるありさまらしく...。
直虎からの町の者たちの本音の問いかけには、当初こそ誰も築城させまいの勢いだったものの、基胤からの仕事を受ける者の相次ぐ出現に伴い、対立が段階的に激化。 双方とも良くないと直ちに仲介するも、逆につまはじきにされてしまったとか。
意を決した直虎は、双方の代表的役割の商人へ、同じ内容の書状の伝達。 材木の都合をどうするかは、そちらの出方次第とあって、築城のための材木の話となれば、どちらも聞き捨てならないはずとの考えだけに...。
直虎の考えは的中。 早速、4人の商人と龍雲丸は、中村屋での会合に。
まず、井伊家が材木を都合するかどうか考えているという話のはずとの言い分に触れて、直虎は騙したようで申し訳と謝罪。 その上で、そのような話ではないとするとともに、大沢側が武力を用いて騒ぎを鎮めようとしていること、刃向かう者たちの厳しい処罰をなくすためにも、そろそろ騒動の鎮静が得策だと思うと伝える。
大沢側と反対派、それぞれ二人ずついた商人が、罵り合い。 互いに言い尽くしての鎮静の上で、直虎は反対派の商人に尋問。 なぜ武家が入ることを頑なに嫌がるのか、と。
反対派は切実だった。 今まで銭を納めて町を仕切る権利を買っていたのに、何のために銭を納めてきたか、解からなくなるだけ。 ゆえに武家が入れば、港の出入りや荷物なども厳しく確認されるであろうし、商売がやり難くなる、と。
直虎は、充分の聞き入れの上で、築城のみなら許してもいいのではないかとの申し出。城の完成そのものが嫌ではなく、武家の目が光り、商売がやり難くなることに問題があるなら、築城と交換条件で、商売に介入しない取り決めを基胤に願い出ればいい。 基胤自身も気賀の町が儲からなくなるのは喜ばしくないであろうゆえ、交渉の余地は充分にあるとして...。
誰もが納得ゆえの和やかな雰囲気とともに、中村屋が申し出。 築城を許し、後は交渉次第ということでよいかな、と。
ところが...。
長く沈黙を貫いていた龍雲丸が、突然城なんて真っ平ごめんと放言。 先の考えなら、もうこれ以上暴れることない、こんな窮屈な町を出ていくだけだと吐き捨て、そのまま出て行ってしまった。
咄嗟に直虎は後を追った。 ようやく龍雲丸を引き留めるなり、しっかり話そう、本当は出て行きたくないはずと訴え。
龍雲丸は否定。 それでも直虎は、必死で食い下がる。 なぜ井伊家に怒鳴り込んできたのか、危険を承知で放火までしてでも...。
龍雲丸はようやく口を開いた。 幼少の頃、父が負けるのを解かりながら、城を守ると言って城と一緒に死んだことを。 本来城は守るためのものじゃないのか、城を守るために死んだら元も子もない。 だからいらない、と。
直虎は全然違うと反論。 田畑や山で命を落とす者もいるし、城に逃げ込んで命拾いしたという者もいるだろう。 城さえなければ助かるという話ではないはず。 城を狙って攻められるかどうかも、最悪、城が狙われた時に城を守りきれるかどうかも、すべては城主の采配次第。 城があること自体、悪いこととは言い切れないであろう、と。
そこへ、龍雲丸からの意外な返事。 ここの城主をやるのか、やったところで立派にやれるのか、と。
直虎は茫然。 全然返事のないまま...。
龍雲丸はできもしないことを言うなと激昂、そのまま立ち去ってしまった。
直虎は井伊家屋敷に戻るなり、龍雲丸との経緯を告白。
六左衛門は残念そう。 方久が沈黙を破るかのごとく、逆により深く関わるという手はないのかと尋ねて...。
直虎は驚愕し困惑。 方久曰く、この揉めごとの介入を好機に、例えば大沢家の代わりに井伊家が気賀に入れるように持ち込むこと。 実現なれば、井伊家には材木や綿のみならず米などあらゆる物資の商売が円滑に、港の確保となれば新たな儲けも見込めるとか。
直虎が同感となるも束の間、たとえ気賀がそう望んだとしても、駿府が許すわけがないと、半ばあきらめ気味になって...。
すると方久が真顔で迫る。 もし、駿府の許し得れば、気賀の城主を引き受けるか、と。
直虎は言葉を失った。
この度の展開...。
まさに、サブタイトルが象徴するかのように、あの戦争文学で名高いアーネスト・ヘミングウェイの長編小説が原作の、1943(昭和18)年7月14日公開のアメリカ映画『誰が為に鐘は鳴る』への布石を重ね合わせているかのよう???
あの1900年代前半のファシズムの嵐の吹き荒れる下、第二共和政権期のスペインで発生の軍事クーデターを発端に...。
マヌエル・アサーニャ率いる左派の人民戦線政府(共和国派)と、フランシスコ・フランコを中心とした右派の反乱軍(ナショナリスト派)との対立を軸にした、1936(昭和11)年7月17日から1939(昭和14)年4月1日までのスペイン内戦における人間模様...。
内戦終焉の悲惨さを意識してか、1939(昭和14)年3月にこの作品を書き始め、翌年1940(昭和15)年に発表。
なお、日本公開は、第二次世界大戦敗戦に伴う軍国主義終焉から約7年2ヶ月後の、1952(昭和27)年10月16日...。
戦争の悲惨さと一途な男女の恋愛の交錯あって、悲しみを一気にぶつけるかのような内容の映画化、まさに言葉にならないや。
例えるならば...。
イングリッド・バーグマン演じる市長の娘・マリアが、『直虎』での柴咲コウ演じる井伊直虎ならば、 ゲイリー・クーパー演じる軍事クーデターに抗う義勇軍に参戦するロバート・ジョーダンが、『直虎』での高橋一生演じる小野政次、いや柳楽優弥演じる龍雲丸???
今川家はもちろん武田家そして織田家の脅威に晒されやすい井伊谷といった小国と重なり合うだけに、生き抜く決め手となる術とは一体何か???
かの映画『誰が為に鐘は鳴る』として重なり合うかのような関係性??? だけに、遠い将来を考え抜くための教材になりそうな予感???
2017-05-30 |
共通テーマ:日記・雑感 |
nice!(0) |
コメント(0) |
トラックバック(0) |
編集
コメント 0