おんな城主 直虎 あらすじ ネタバレ D B
いよいよ大詰めのNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』...。 大河 DVD Blu-ray
12月17日日曜日放送の最終回・第50回「石を継ぐ者」にあたって...。
平均視聴率は12.8%。
前年2016(平成28)年放送の『真田丸』を大きく下回り、2015(平成27)年放送の『花燃ゆ』、2012(平成24)年放送の『平清盛』に続く歴代ワースト3位の数字の反面、あらゆる登場人物の的確な描写と伏線と回収、戦国乱世ならではの無情さによる翻弄、摩擦と衝突とともに手探りで答えを見い出し邁進する、主人公の"おんな城主"・井伊直虎(柴咲コウ)の姿の頼もしさが...。
駿河の今川、甲斐の武田、三河の徳川、といった3大国による領地征服に向けての虎視眈々ぶりに晒されつつ、資源も武力も乏しい井伊谷を守るべく、己の知恵と勇気をもっての邁進ぶり、忘れられない。
同時に、直虎と関わる家族と家臣そして井伊谷の領民たちの逞しく生き抜いてゆく姿も...。
悲しいかな、女性主人公のNHK大河ドラマともなれば、NHK朝ドラのヒロイン特有の現代的な感覚での疾走ぶりゆえ、やや否定的な見方が大勢...。
ところが、この度の『直虎』では戦国乱世ならではの無情さが前面に...。
敵との大戦でない、知恵を張り巡らせて対峙しつつ、より優位に高めて生き抜く姿、現代にも息づくことになる感慨深さが...。
極めつけは、森下佳子脚本特有の毎回恒例の名作の小説と映画とドラマを重ね合わせるかのようなサブタイトルも...。
8月18日金曜日より発売の『第壱集』DVD/Blu-ray...。
第1回「井伊谷の少女」から第12回「おんな城主 直虎」まで...。
これまで多くを亡くした井伊家のたったひとりの跡取り娘の主人公・おとわ(新井美羽)そして次郎法師さらに井伊直虎(柴咲コウ)、2人の幼なじみ、亀之丞(藤本哉汰)そして井伊直親(三浦春馬)、鶴丸(小林颯)そして小野但馬守政次(高橋一生)、それぞれの大人たちの事情ゆえの葛藤ながら、3人の絆の深さと互いへの信頼、かけがえのない想いを主軸とする展開、忘れられないや。
特に、第10回「走れ竜宮小僧」終盤の御初代様の祀られてる伝承の井戸での、3人の屈託のないひととき、最後の微笑ましい青春群像を垣間見るかのようで、切々と...。
それだけに、第11回「さらば愛しき人よ」での次郎法師と直親との永遠の別れ、第12回「おんな城主 直虎」での井伊谷実効支配の今川家目付となった政次との対峙を前に井伊直虎宣言へ...。
序盤の3人のあどけない気持ちのままの、突然の急転直下、起死回生、この上下左右の振り幅の激しさながらの緻密な森下佳子脚本、一気に鷲掴みへ...。
12月20日水曜日より発売の『第弐集』...。
第13回「城主はつらいよ」から第31回「虎松の首」まで...。
徳政令をめぐっての直虎と政次の駆け引きを主軸に、瀬戸村長老・甚兵衛(山本學)はじめ祝田村も加わっての多くの民との対立と歩み寄り、井伊谷活性化にまつわる人間模様の爽快さ...。
中でも、互いの真意を分かち合ってからの直虎と政次に夜、表面上の対峙と、龍潭寺での囲碁のやりとりと心の交流...。
加えて、第21回「ぬしの名は」での気賀を隠し砦の盗賊頭・龍雲丸(柳楽優弥)との出逢いと新たなる躍動感....。
忘れられない。
2018(平成30)年3月21日水曜日より発売の『第参集』...。
第32回「復活の火」から最終回・第50回まで...。
特に、第33回「嫌われ政次の一生」、まさに究極の「敵を欺くには、まず味方から」を突き進む展開ゆえ、涙なしには観られなかった。
第38回「井伊と共に去りぬ」終盤、1574(天正2)年、龍潭寺にて亡き井伊直親(三浦春馬)13回忌。 井伊家所縁の者たちの感慨深い中での成長した虎松(菅田将暉)との再会。 以後の井伊家再興へのこだわり激しい虎松改め万千代と一農婦になった養母・直虎との激しい対立...。
中でも、室町幕府終焉早々より織田信長(市川海老蔵)の突出ぶりによる翻弄、井伊家仕官の徳川家康(阿部サダヲ)最大の悲劇、落胆と再起を経ての、万千代と直虎との分かち合いと歩み寄り、本格的に徳川家とともに天下取りへの邁進...。
そして、最終回終盤、亡き父・直親と亡き目付・政次の想いを受けての井伊直政襲名、1584(天正12)年3月から11月まで続く、"小牧・長久手の戦い"開始における「井伊の赤鬼」として「井伊の赤揃え」を率いての猛進ぶりへ...。
1600(慶長5)年9月15日の天下分け目の"関ヶ原の戦い"での勝利、1603(慶長8)年2月12日の徳川家康征夷大将軍任命に伴う江戸幕府のはじまり...。
1867(慶応3)年10月14日の第15代将軍・徳川慶喜による二条城での"大政奉還"まで、約264年8ヶ月...。
この徳川家と井伊家それぞれの底力による重み...。
かの黒船来航に端を発した江戸時代末期の動乱と明治維新以降の内乱そして終焉をめぐる考察の際、正義と正義の激突の是非において、より深みを増す作品としての定評の予感が...。
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