王様のブランチ 木皿泉
先週6月15日土曜日放送のTBS情報番組『王様のブランチ』の読書コーナーでの紹介以来、気になっていた本、すなわち4月19日金曜日発売の単行本、他の仕事に難儀しながらも、やっと読み終えた。
『昨夜(ゆうべ)のカレー、明日(あした)のパン』(木皿泉/河出書房新社)
物語は、7年前に25歳の若さで亡くなってしまった夫・一樹に想いを馳せる妻・テツコと、一緒に生活を続ける一樹の父・ギフとの、何気ない日常生活を中心に展開されて...。
テツコは、わずか2年間の結婚生活での夫の想い出の品を、時折眺めて...。
ギフは、ただゆったり佇むように日常を過ごして...。
ともに、ゆったりと、決して悲観にくれることなく、一樹の死を受け入れていく。
なぜか心地良い。
確かに、死はとても悲しい。
ただ、悲しみと共生して日々を過ごすのも、癒しの一つなのかなあ。
そのような気持ちにさせてくれる作品集。
ただ、ギフの妻の話「夕子」には、不覚にも泣けてしまった。
同時に考えさせられもした。
どちらかが突然の事故で大怪我を負ってしまった場合、または、どちらかが亡くなってしまった場合、いかにして向き合うのがふさわしいのかを。
自然と向き合えるのかなあ...。
やはり、読書コーナーでのインタビューが、尾を引いているからか...。
木皿泉。
和泉務と妻鹿年季子による共同ペンネーム。
和泉は、漫才・構成作家として。
妻鹿は、京都精華短期大学美術家染料コースの卒業と商社勤務を経て、シナリオライターへ。
木皿泉という脚本家としての共同ペンネームとなったのは、1990(平成2)年から1年間放送されたフジテレビのドラマで、小林聡美・もたいまさこ・室井滋主演の『やっぱり猫が好き』の第2シーズンから。
ペンネームの由来は、"キザな和泉"から。
連続テレビドラマ初進出は、2003(平成15)年の日本テレビのドラマ『すいか』。
視聴率は芳しくなかったものの、第22回向田邦子賞を受賞するほどの高評価。
しかし、脚本執筆後の2004(平成16)年、和泉は脳出血で倒れてしまい、病院で生死の境を彷徨。
退院後は重度の後遺症のために、入籍後の妻鹿の介護と介護保険サービスを受けることに。
そして、2005(平成17)年。
日本テレビ放送の亀梨和也・山下智久・堀北真希主演の学園ドラマ『野ブタ。をプロデュース』では、最高18.2%の視聴率を最終回で記録。
なお、原作で男子だった"野ブタ"を、堀北真希演じる女子に設定変更したのは、木皿側が要望したとのこと。
2007(平成19)年4月より放送の日本テレビのドラマ『セクシーボイスアンドロボ』の脚本の執筆から、妻鹿が鬱病を発症してしまい、治療しながら完遂。
これまでの経緯を含めて、改めて実感することは、スゴイということ。
すべてを解かり合える夫婦だからこそ、互いに人生における山あり谷ありを、あるがまま受け入れている。
まだまだ学ぶことは、たくさんあるなあ。
2013-06-17 |
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