海街diary 綾瀬はるか 長澤まさみ
オリジナル作品に強いこだわりを持つ是枝裕和監督が、自らのメガホンでの映画化を熱望...。
いわゆる漫画原作は初めてなのかなあ。
それは、吉田秋生原作で、『月刊フラワーズ』(小学館)に2006(平成18)年8月号より不定期に連載された『海街diary』。
2012(平成24)年12月時点にて既刊5巻。
1995(平成7)年から1996(平成8)年にかけて発表された作品『ラヴァーズ・キス』とのクロスオーバー作品でもあり、第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、マンガ大賞2013受賞の大人気ベストセラーコミックス。
その『海街diary』には、訳ありの四姉妹を演じることになる、豪華な女優陣が顔をそろえることに。
もちろん旬の女優陣で、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず。
物語のあらましは、祖母の残した鎌倉の家で暮らす香田家の三姉妹の元に、自分たちが幼い頃に離婚して家を出て行った父の訃報が届いたことから、始まって...。
次女・佳乃(長澤まさみ)は15年以上会っていない父の死を特に何とも思えず、三女・千佳(夏帆)も父との思い出がほとんどない。それでも長女・幸(綾瀬はるか)の頼みで葬式に出るために山形へ赴くことに。
そこで佳乃と千佳は、年齢の割にしっかりしている中学生の異母妹・浅野すず(広瀬すず)との、初めての出逢い。
すでに実母も亡くしていたすずの住む家族は、父の再々婚相手にあたり、気丈だが感情を見せないすずに対し、葬儀の打ち合わせで会った亡父の妻は頼りない。
佳乃はすずの今後について安請け合いする亡父の妻に不信感を抱き始めて...。
妹たちと違って記憶が確かな幸は父を許せずに夜勤を口実に欠席するつもりでいたものの、妹からのメールで事情を知るなり、徹夜を押して急行、葬式に出席へ。
葬式からの帰り、すずは幸から亡父のことで感謝の言葉をかけられ、堪えていた感情が爆発するように号泣。
見かねた幸が、鎌倉で一緒に暮らすことを勧めた。
すずは快諾して、四十九日を済ませた翌週に、鎌倉へ。
こうして、湘南を舞台に四姉妹になった香田家が、つむいでいく新たな共同生活を通して、家族の絆をつくいでいく。
四姉妹の役どころ、まさに気になるなあ。
綾瀬はるか演じる長女・幸は、しっかり者の看護師。
生真面目で毅然とした性格は教師だった母方の祖母譲りで、離婚直後に男と出て行った実の母親・都とは反りが合わない。
是枝監督による配役理由は、当初自由な次女の役のほうがこれまでの役のイメージに近いとの実感だったものの、別の顔を撮りたいと思ったとのこと。
さらに、四姉妹の顔合わせ早々の立ち稽古で、すでに綾瀬はるかの中にはしっかり者の長女がいて、見事に長女の振舞いを目の当たりにするなり、「この映画は大丈夫」との確信に至ったという。
長澤まさみ演じる次女・佳乃は、酒好きで年下の男に弱い、地元の信用金庫に勤務するOLという役どころ。
是枝監督作品としては、2011(平成23)年公開の映画『奇跡』で主人公・航一(前田航基)の通う学校の教師役を務めて以来、今作が2度目。
監督曰く、わずかながらの機会だったものの、また是非撮りたいと思っていたとのことで、次女の役もぴったりという手応えで..。
なお、本作の基調となるのは、.綾瀬はるか演じる長女と長澤まさみ演じる次女の姉妹ゲンカとかけ合い。
監督としては、いつまでも見ていたいと思わせるものだったとか。
余談ながら、綾瀬はるかと長澤まさみといえば、ともに出世作となった2004(平成16)年の『世界の中心で、愛をさけぶ』のドラマ版と映画版で、それぞれヒロイン・廣瀬亜紀を演じていて、しかも初共演。
どのような演技合戦を魅せてくれるかが、一番気になるところ。
夏帆演じる三女・千佳は、地元のスポーツ用品店で働くマイペースな役どころ。
行動は破天荒で一番掴み所のない性格。
年齢の近い四女・すずとは仲良しで...。
監督曰く、マイペースな雰囲気が原作の三女に近いとのこと。
これまでの作品も注目していて、コメディからシリアスな役まで、とても幅広く繊細に表現できる女優との評価。
余談ながら、夏帆もドラマ版『世界の中心で、愛をさけぶ』で、亜紀と相思相愛の松本朔太郎(山田孝之)の妹・芙美子を演じていて、物語後半での亜紀との関わりも印象に残っていたなあ。
広瀬すず演じる四女・すずはサッカーが得意。
基本的に積極的で明るく、しっかり者のであるものの、両親や自身の出生に関して負い目ゆえに葛藤。
しかし、三女・千佳の勧めで、地元のサッカークラブ・湘南オクトパスに入団してから、本来の明るい性格を取り戻すという。
オーディションによる選抜で、その場にいたスタッフ満場一致によるものとのこと。
監督曰く「“すず”がここに居る」との実感。
4人での立ち稽古の際も、先輩たちを相手に動じず、新人とは思えない在り方が頼もしかったという。
役に入り込み太い芝居をする、将来がとても楽しみな女優との太鼓判。
なお、役名と同じ名の広瀬すずは、偶然の一致に驚きとともに身近ゆえの嬉しさいっぱい。
今回の作品決定にあたって、是枝裕和監督は「今、誰を撮りたいか」を最優先に考えたという。
もちろん姉妹に見えるよう4人の相性やバランスも重視の上、理想的な四姉妹ができあがったとの自信。
撮影の柱となるのは二つ。
幸たちが、すずという存在を通して自分たちを捨てた父親や母親をどう許していけるのか。
自分が産まれたことで人を傷つけていると知ったすずが、姉たちと暮らすことで「産まれてきてよかったんだ」と思えるようになるのか。
4人が姉妹に家族になっていく過程は1年間。
『海街diary』原作は、7月10日木曜日に最新の第6巻が発売。
2015(平成27)年初夏に全国で公開。
翌年の夏の楽しみが増えたか....。
2014-06-23 |
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